【書評】「完全教祖マニュアル」で真のリーダーシップを学ぼう。【感想・要約】
こんにちは、外資系セールスから転職→現在はベンチャー企業にて起業家を支援している冨田到(@ItaruTomita9779)です。
今回は「完全教祖マニュアル」という、リーダーシップの本質が学べる本を書評します。
突然ですが、人々を導くことに、長けている人々、つまりリーダーシップに優れた人々を思い浮かべてください。
- スティーブ・ジョブズ
- イーロン・マスク
- 豊田章男
- 堀江貴文
- 孫正義 ・・・・・・
そうですね、彼らは、非常に優れた経営者です。
魅力的なサービスを提供することで、社会に貢献し、我々を魅了し、ファンを生み出します。
あれ、現代にも影響を与え続けていて、世界中の人々を導き続けている人が挙がっていませんね。
そうです、イエス・キリストを思い浮かべた方はいますか?
もしくは、釈迦、もしくはムハンマド。
そう、彼らは宗教家です。
彼らが打ち立てた、キリスト教、仏教、イスラム教の影響力は、Appleの比ではありません。
キリスト教なんて、1,000年前から続いています。信者数は20億人です。地球人の1/3は信者です。
形のあるプロダクトもないのに、人々を魅了し続け、ファン=信者の勢いは留まることを知りません。
そう、宗教家もリーダーシップに長けた人々なのです。
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書評:完全教祖マニュアル
- 宗教の教祖になりたい
- そこまでいかなくても、組織のリーダーをやっているマネージャー層
- リーダーではないけど、自分の影響で動かしたい相手がいる営業職
こんな人々におすすめの一冊があります。
完全教祖マニュアルです。
内容(「BOOK」データベースより)
多くの人をハッピーにしながら、大きな尊敬を受ける―教祖ほどステキなビジネスはほかにありません。キリスト教、イスラム、仏教などの大手伝統宗教から、現代日本の新興宗教まで、古今東西の宗教を徹底的に分析。教義の作成、信者の獲得の仕方、金集め、組織づくり、さらには奇跡の起こし方―あらゆるシチュエーションを実践的に解説した本邦初の完全宗教マニュアル。
現代に、「教祖になりたい」という気骨のある方にはもちろんおすすめです。
また、「教祖になる」ことは、キリスト教を見れば明らかなように、究極のリーダーシップの1つの形とも言えるでしょう。
人を導くという意味で、ビジネスで人を束ねる立場のマネージャー層や、人を動かすという意味で、お客様に貢献する営業職にもおすすめできる本です。
マネージャー層と、営業職に対して、完全教祖マニュアルから、学べることを類推していきます。
【要約・感想】完全教祖マニュアルからの学び:「教祖」の定義と仕事とは?
「教祖」の定義
教祖の定義はシンプルで、本書曰く「何かを言う人」であるとのことです。
そして、「何かを言った」結果、「それを信じる人」が生まれます。それこそが信者というのです。
「何かを言う人」である教祖、「それを信じる人」である信者、人数に構わず、この構図が生み出された瞬間、教祖は誕生するのです。
つまり、あなたが部下を多く持つマネージャーであれば、部下に何かを言って信じてもらい、働いてもらいます。
また、あなたがお客さんにものを買ってもらう営業あれば、お客さんに何かを言って信じてもらい、サービスや製品を購入してもらいます。
この構図こそ、教祖なのです。誰でも日常的に教祖になることができるのです。
教祖=マネージャー=営業なのです。
つまり本書の完全教祖マニュアルは、マネージャー層や営業職の方々にアナロジーを効かせて、参考にすることができるはずですね。
「教祖」の仕事
教祖の仕事もシンプルだそうです。
例えば、キリストは社会の戒律を打破して、人々を幸せにしました。
例えば、釈迦は、輪廻転生によるカースト制度の概念を打破して、人々を幸せにしました。
教祖の仕事は、「人々を幸せにすること」だそうです。
そう、あなたがマネージャーであれば、あなたの部下を幸せにすることが、あなたの仕事なのです。
そう、あなたが営業職であれば、あなたのお客さんを幸せにすることが、あなたの仕事なのです。
教祖であるあなたは、人々を幸せにすることで多くの尊敬を集めます。
そして、あなた自身の人生が、人々から敬われ、愉快痛快、楽しく過ごすことを可能にするのです。
教祖になることは、まさに、WIN-WINの関係と言えるでしょう。
【要約・感想】完全教祖マニュアルを応用してみよう。
完全教祖マニュアルには、教祖になるために、以下の「思想」と「実践」を推奨しています。
完全教祖マニュアルから学ぶリーダーシップ:思想編
- 教義を作ろう
教義とは、キリスト教で言えば、下記のものです。
イエスは神の子、救い主であると信じる者は、この世の終わりにおいて自分が受けるべき裁きをまぬがれ、救われ、神の国が完成する。
すなわち、教祖は「教え」を信じるものに対して、それを信じた結果の未来を提示してあげるのです。
教義は会社で言えば、VISON・理念になるでしょう。立場によって教義は変わります。
- 現世利益をうたおう
現世利益とは、生きているうちに、信者が利益を得ることができることです。
例えば、病気が治るとか、給料が上がるとか、その人が生きているうちに幸せになることができるということです。
- 不安を煽ろう
教祖は、教義を信じれば、素晴らしい世界が待っています。と良い未来を提示します。
逆に、それを信じないものは、救われないのです。
これは、民衆の不安を煽っていることになります。
「不安を煽ろう」というと、なんだかすごい悪いことをしているように聞こえるかもしれません。
しかし、不安を煽ることは悪いことではなく、問題提起なのです。
「あなたが、現状のままでいると、こんな悪いことが起きるかもしれません。あなたが気づいていないだけで。」
それに少しでも共感したものが信者になってくれるわけです。
釈迦は、大衆が「死」を当たり前の現象と捉えていたところ、「死」を問題視したのです。
つまり、釈迦は王子で何不自由なく暮らしていたけど、「死」というものは避けられない、「死」は問題だ、だから民衆に仏教を訴えよう、となったということです。
気づいていないだけで、実は問題だ、ということは世の中多いものです。
- 救済を与えよう
前項で、「不安を煽る」ことが大事だと書きました。
しかし、「不安を煽る」だけでは、人々は幸せになりません。
そうです、救済を与えましょう。
教義を伝えられたものが、現状に対する不安を感じます。
不安を感じたものに、教義を信じた結果、「現状から救われる」という未来を提示してあげるのです。
そうすることで、不安は消え去り、人々は教義を信じることで、幸せな未来に向かって進むことができるのです。
あなたがマネージャーであれば
部下に対して、教義を示す=自分を信じれば、現世利益(救済を与える)=どういう結果が現れるのか、示して上げる必要があります。
例えば、部下の成長につながるとか、給料がこれだけアップするとか、社会が良くなるとか、です。
マネージャーのあなたが教祖になりきることで、部下は信者となり、強固な一体感を得ることができます。
実際に、私は部下の立場ですが、「教義」を掲げているリーダーは、考えていることと自分へのメリットが分かって好きです。
他方でそれができていないリーダーにはあまり「信者」になりきれません。
しかし、教義を信じないものもいます。
そんな部下には、不安を煽りましょう。
例えば、チームの仕事をしっかりやらないと、あなたの成長につながらないんだよとか、給料が下がっちゃうかもしれないよとか、うちのサービスを欲しがっている人が困ってるかもしれないんだよとか、です。
この不安を煽る行為は、説教になってはいけません。あくまで、あなたのためを思って言っているんです。という真摯な気持ちが重要です。
あなたが営業職であれば
お客さんに対して、教義を示す=自分を信じれば、現世利益(救済を与える)=どういう結果が現れるのか、示して上げる必要があります。
例えば、売上が増えるとか、お客さんのお客さんに喜んでもらえるとか、社会が良くなるとか、です。
営業職のあなたが教祖になりきることで、お客さんは信者となり、一緒になってサービスを売ることができます。
実際に、私は営業職ですが、「教義」を第一に掲げることを大事にしています。
我々の製品・サービスを導入した結果のお客さんの変化を示してあげるのです。しかし、教義を信じないものもいます。
そんなお客さんには、不安を煽りましょう。
例えば、うちの製品やサービスを使わないと売上に影響するかもしれないよとか、お客さんにもっと喜んでもらえるチャンスを逃しているかもしれないよとか、です。
この不安を煽る行為は、説教になってはいけません。あくまで、あなたのためを思って言っているんです。という真摯な気持ちが重要です。
あなたがマネージャーであれ、営業職であれ、信者にしたい対象の人を幸せにする気持ちですることが、教祖になる秘訣でしょう。
完全教祖マニュアルから学ぶリーダーシップ:実践編
- 弱っている人を探そう
「不安を煽ろう」にも、共通してくるポイントです。
不安を持っている人や、社会的に弱っている人を探して、教義を教え込むのです。
そうすれば、弱っている人も救われてWIN、教祖も信者が増えてWINと、WIN-WINの関係が築けるでしょう。
- 他教をこきおろそう/他教を認めよう
ただ、弱っている人も、他の「教祖」から勧誘を受けることもあるでしょう。
その場合重要なのは、他教の弱点を突くか、他教を認めた上で、あなたの教義の優位点を伝えるのです。
他教をこきおろすことで、信者になる可能性のある人は、あなたの「教え」こそが素晴らしいと思ってくれるかもしれません。
逆に、他教をこきおろすのはできない、ということであれば、他教の素晴らしい点をあえて認めてあげて、その上であなたの教義はもっと素晴らしいと説くと、説得力も倍増です。
あなたがマネージャーであれば
弱っている部下を探しましょう。
弱っている部下は、何かに確実に困っているはずです。
それ自体は、会社に関係ないことかもしません。
例えば、家族のこととか、自分のコンプレックスのことかもしれません。
その場合でも、教祖は、信者を幸せにする義務があります。
あなたの部下が、弱っていることに対して、マネージャーのあなたがそれを覆す未来を提示してあげてください。
そして、もし部下が他のチームや副業や会社に目移りをしているのであれば、それをこきおろすか、あなたのチームのが部下にどんなに素晴らしいのかを教えてあげてください。
部下がマネージャーのあなたと一緒にいることが幸せになる、ということを理解してもらいましょう。
あなたが営業職であれば
弱っているお客さんを探しましょう。
弱っているお客さんは、何かに確実に困っているはずです。
それ自体は、あなたのサービスに関係ないことかもしません。
例えば、売上が落ち込んでいるとか、最近客足が伸びないとかかもしれません。
教祖は、信者を幸せにする義務があります。
あなたのお客さんが、弱っていることに対して、営業職のあなたがそれを覆す未来を提示してあげてください。
そして、もしお客さんが他社の製品やサービスに目移りをしているのであれば、それをこきおろすか、あなたの製品やサービスがどんなに素晴らしいのかを教えてあげてください。
(こきおろすことは、お客さんの自尊心傷つける可能性もありますので、気をつけてください。)
お客さんが営業職のあなたの製品やサービスを使うことが幸せになる、ということを競合優位から理解してもらいましょう。
完全教祖マニュアルの最強のリーダーシップで人を幸せにしよう。
教祖とは最強のリーダーでしょう。
何百年も続いている会社はなくても、何百年も続いている宗教団体はいくつかあります。
自分が死んでも、社会に影響を残し続ける。
これこそが宗教が最大最強の団体であり、その教祖の最強のリーダーシップの証左であります。
マネージャーも、営業職もそうです。
あなたがもし、引き継ぎをする際に、あなたの思想や文化やキャラクターがその組織に残り続けるのであれば、教祖になれたと言えるでしょう。
完全教祖マニュアルから、あなたも最強のリーダーシップを学んでみましょう。
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