【書評】「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」は、全社員のモチベーションを上げる魔術【Kindle おすすめ本】
こんにちは、外資系セールスから転職→現在はベンチャー企業にて起業家を支援している冨田到(@ItaruTomita9779)です。
ところで、あなたの会社のマーケティング部門は、あなたの体感として、機能していると言えますか?
また、営業として売る戦略や、売っていく方法が、いつも同じとか代わり映えしないとか、思ったことはありますか?
機能していない、代わり映えしない、そう感じるビジネスマンであれば、本書を読むことをおすすめします。
本書は、「マーケティングとは何か?」という基本的な問いかけに、敏腕マーケッターである森岡毅という方が、USJを再生させたお話を交えながら、子どもでもわかるように解説した良本でした。
私自身も、外資系のメーカーで務める若手営業マンですが、自社製品の製品力が落ちていくにつれ、今までの販売手法ではうまくいかないことが多くなってきました。
会社というものはいい製品があるときは、販売手法を他の会社と大差が無くても、売れるものです。
しかし、既存製品だけになってくると、製品のアピール方法を工夫しなければいけない、そんな実感をヒシヒシ感じています。
しかも、既存製品を前例通りの販促方法で売ることは、私もそうですが、自社の営業マン全体に「飽きてきた感」が蔓延してしまっています。
そんな中で興味を持った分野こそがマーケティング、いわば「売れる方法を考える」ということ。
今回は、そんなマーケティングに興味を持ってはいるけども、マーケティングってどんな仕事?マーケティングが機能していると何がいいの?といったことにお答えします。
題材として、それが書いてある「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」の書評をやっていきましょう。
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そもそも、「マーケティング」とは「売れる」状態を作ることである。
マーケティングはアメリカで生まれた概念で、しかも横文字なので言葉の定義が曖昧なまま使っている人が多いかと思います。
本書によれば、「マーケティング」とは、「売れる」状態を作ることです。
訪問販売や飛び込み営業をすることで、無理やり販売の機会を漕ぎ着けるような、「売る」状態を作ることではないです。
当然、「売りにいく」営業活動も重要なのですが、その営業活動をより効果的かつ効率的にすることが、「マーケティング」なのです。
「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」とは、「消費者視点」である。
それでは、本書「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」の書評に本格的に入ります。
「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」って結局なんなのでしょうか、本書の初めの方で答えがあります。
それは「消費者視点(Customer Driven)」という価値観と仕組みにUSJを変えたことだと書かれています。
消費者視点とは、お客さんが「本当に」喜ぶことを重視する考えですね。
ただ、お客さんが欲しい(=ニーズ)といったものではなく、「お客さんでさえ気づいていなかったニーズに気づいてあげる」ことに気を付けなければなりません。
USJは、ハリウッド映画のエンターテイメントパークを目指していたのですが、売上が低迷してしまっていました。
そこで筆者:森岡毅さんが、USJをハリーポッターを始めとして、他にもアニメやゲームも含めたエンターテイメントの総合パークに変化させること、すなわちお客様でさえ気づいていない真のニーズを提案し始めた結果、V字回復を可能にしたのです。
このお客様の真のニーズに気づける人間は、営業を始めとした最前線のスタッフです。
私自身営業職ではありますが、営業マンこそマーケティング思考を身に着けましょう。
自分が営業だから営業だけするのは、仕事の幅を狭めてしまいもったいないです。
もっと楽しくするために、営業マンこそ、マーケティングを学びましょう。
マーケティングは戦略的思考法
USJは、消費者視点という目的意識を持って会社を変革していったわけですが、マーケティングはこのように、戦略を考える仕事です。
森岡さんは、消費者視点という目的を達成するために、USJをエンタメの総合パークに変化させる戦略を取り、その戦術の中でハリーポッターワールドを採用したのです。
目的→戦略→戦術、といった思考法です。
- 目的:消費者視点を取り入れる。
- 戦略:エンタメの総合パークにする。
- 先j痛:ハリーポッターワールドを作り上げる。
戦略とは、ある目的を達成するためのものです。
例えば、あなたは人間ですが、生きるという目的のために3大欲求という戦略をこなしています。
また、戦略を達成するためには、戦術が必要です。
例えば、【生きるという目的】のためにしている【戦略である3大欲求の一つの「食べる」】という行為を、【餓死しないために朝昼晩に3職食べるという戦術】で支えていくといった流れです。
マーケッターは、このように、会社や人間が進むべき方向性までを決める仕事になります。
なので、もし誤った目的の元に誤った戦略と戦術が遂行されてしまうと一気に、業績不振に陥ってしまうのです。
日立は以前まで原発輸出を事業の柱に据えていましたが、原発事業の転換を行っています。
これは、原発事業の経済合理性がなかったというだけでなく、痛みを伴いながらも誤った戦略を正すというマーケティングの一つの姿でしょう。
目的意識が誤ってしまうことで、ここまで大きい損失になることもあるのです。
おそらく、原発事業の担当者はずっと前から、違和感を感じていたんだと思います。
このような結果で損切りできたのも、現場の報告とトップ層の決断のおかげでしょうね。
日立、英原発計画を中断へ 損失約3千億円、技術・人材の維持に暗雲
1/11(金) 12:28配信
日立製作所が英国での原発建設計画を中断する方針を固めたことが11日、分かった。近く取締役会で決定し、約3千億円の関連損失を平成31年3月期に計上する見通し。安倍晋三政権のインフラ輸出戦略は見直しを迫られ、国内の原子力関連技術や人材をどう維持するかが重い課題となる。
日立、英原発計画を中断へ 損失約3千億円、技術・人材の維持に暗雲
株式会社日本は、マーケティングが出来ていない。
私の会社は、新製品・サービスに頼る会社なのですが、現在新製品が不振で、既存製品をどのように売っていくか、大変困っている状況です。
日本の多くの会社がこのような現状だと思います。
なぜならば、日本は高度経済成長の中で、人口増加による消費の拡大と、技術志向によって良い製品をカイゼンし続け顧客ニーズを満たし来たので、マーケティングなんてする必要がなかったのです。
こちらの高度経済成長の成功モデルからの脱却こそが、ファイナンス思考です。
こちらの記事に「ファイナンス思考」の書評を書いていますので、関心がある方は読んでください。
しかし、平成が終わるこの世では、もうその技は通用しません。
人口減少と、製品力が頭打ちになってきて、消費が伸び悩んできてしまったのです。
もしあなたが、業績の振るわない会社の現場スタッフ、営業マンであれば、今販売している製品やサービスが現場で何故喜ばれていないか、肌感覚でわかっているはずです。
我々現場の人間は、この微かな不具合を見逃してはなりません。
もし、こちらを見逃せば、あなたの仕事はいつまで経っても、面白くないでしょう。
目の前の業績不振を、あなた自身もマーケッターとなり、解決する必要があるのです。
他方で、キャリアの選び方として、本業としてのマーケッターを選ぶこともおすすめしたいです。
これについては、キャリアの作り方・選び方に参考になるビジネス書を紹介している下記の記事の「転職の思考法」を参考にしてください。
マーケティングの取っ掛かりとしては、大変読みやすい本です。
是非、読んで血肉にしてください。
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