【京都プロボノ感想】プロボノの「報酬」とは、成功との関係性について

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【京都プロボノ感想】プロボノの「報酬」とは、成功との関係性について

こんにちは、外資系セールスから転職→現在はベンチャー企業にて起業家を支援している冨田到(@ItaruTomita9779)です。

【プロボノ感想・体験談 in 京都⑤】プロジェクトの方向性に迷ったら、目的に立ち返れ。【サービスグラント】の続きです。

こちらの記事は以下のような方向けの記事になります。

  • 社会人ボランティアや、プロボノに興味がある。
  • プロボノにおける「報酬」とはなにか、実体験を交えながら考える。
  • 異業種交流なプロボノにおいて、自分のスキルを社会に貢献させる方法をしりたい。
  • プロボノやコンサルなどの異業種交流のおける人を自発的に動かすチームマネジメントの方法に興味がある。

私は社会人1年目のころから、社会人ボランティアであるプロボノに参加しております。

今回のプロジェクトで2回目になりますが、そんな若手社会人でもソーシャルなキャリアを築けることをロールモデルとして発信していきます。

前回のプロボノワークでは、「前回提案したパンフレットの文章や画像の最終調整」の詰めの会議を先方を行いました。

細部の文章や、本当にこのデザインでいいのか、本当にこの表紙の画像で良いのか。

その文章や表紙で、受け取った人にどんな行動を促したいのか、細かい部分まで神経を尖らせて、気候ネットワークさんと我々プロボノチームでパンフレットを完成させ、納品が完了しました

気候ネットワークさんとのプロボノも一段落しましたが、今回のプロボノもチームとして、かなりモチベーションが高かったように思えます。

今回の記事では、昨年度のプロボノ活動である、気候ネットワークさんとのプロボノを、「報酬」という観点から振り返ります。

報酬がお金ではないプロボノが、どのようにすれば成功するのか?

プロボノにおける報酬とは何か?

などの観点からプロボノの面白さやメリットについて、考察・情報提供していきます

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プロボノの報酬とは何か?

プロボノは、基本的に無報酬・無料です。

しかし、私は今回のサービスグラントさんでのプロボノで、プロボノは2回目でした。

今回のプロボノも、私ともう一人のマーケター、デザイナーとコピーライター、チームをまとめるチームリーダー、団体とプロボノの方向性を決めていくディレクター、計6名のチームワークでしたが、無報酬でも全員のモチベーションが非常に高かったのです。

実際に、私も他のみんなも、本業の仕事がある中で高いアウトプットを出し続けてくれました。

繰り返しですが、プロボノは、本業のビジネスやバイトなどと違って、金銭による報酬がありません。

基本的に無償の活動なんですよね、当然今回のプロボノワークも無償です。

それでも、幅広い年代の人々がプロボノに魅了され、今回のチームメンバーも高いアウトプット出せるレベルで、参加しているのは何故でしょうか?

プロボノをやったことがない方・初心者の方からは、「お金ももらえないのに、よくできるのね。」なんてお言葉を頂戴することもあります。

しかし、プロボノの報酬は無償だけれども、それだけの価値があるのです。

プロボノは「やりがい」という「報酬」を貰える最高の「仕事」

プロボノの報酬とはなにか?と問われれば、答えは「やりがい」が得られることに尽きます。

この「やりがい」という名の報酬を求めて、幅広い年代のビジネスパーソンがプロボノに参画し始めています。

具体的に「やりがい」とは何なのでしょうか。

今回のプロボノチームは下記のような理由で参加されている方が多かったです。

  • 社外での自分の実力を試したい。
  • ソーシャルなキャリアに触れてみたい。
  • 自分の専門性・スキルで社会に貢献・挑戦したい。

このように、挑戦・達成感・貢献感といった「やりがい」を求めているのです。

目的はそれぞれですが、NPOやNGOといったビジネスと縁遠い業界でこそ、得られる「やりがい」もあります。

気候ネットワークさんとのプロボノも、普段触れない気候変動や温暖化を、いかに自分がビジネスで学んだスキルを応用して、広報する努力をサポートできるか、という非常に難しい課題でした。

ただ、だからこそ、やりがいがあるのでしょうね。

報酬が無償であることの難しさ

他方で、無償であるということは、プロボノを「する側」にも、「される側」にも、ある種の甘えのようなものや、妥協のようなものが生まれるリスクはありますよね。

会社で給料を貰える仕事と違って、報酬が目に見える形としてありませんので、「ただでやってるんだから」「お金払ってないから」という理由で、結果にコミットし辛いケースも有るのかもしれません。

気候ネットワークさんとのプロボノでは、そのような場面も生じませんでしたが、他のプロボノワーカーさんのお話を聞くと、妥協してしまうプロボノもあるようです。

無償なだけに、支援先の団体も、プロボノもお互いが率直な意見を言ったり、納期をキチンと守ったり、といった仕事では基本的なことが出来ないケースがあるのです。

「やりがい」が報酬のプロボノですが、無報酬であることによる落とし穴があるのです。

そんな落とし穴を回避するには、どのようにすればいいのでしょうか。

プロボノに慣れていない方・初心者の方は特に、楽しく、やりがいを持って、意味あるプロボノを作り上げるための心構えを考える必要があります。

報酬のないプロボノを成功させるコツとは?

今回の気候ネットワークさんとのプロボノも、当然無償でありましたが、素晴らしいパンフレットが出来たのには言うまでもありません。

そこで、「報酬」がないプロボノを、支援先もプロボノをする側も「楽しむ」という意味で成功させるにはどうすれば良いのでしょうか?

気候ネットワークさんとのプロボノ体験・感想を元にコツを振り返ってみます。

プロボノ成功のコツ①:お互いが正直に意見を言い合う。

今回のプロボノが成功した要因は、お互いに意見をぶつけ合うことが出来たことだと思っています。

もちろん、無理難題をお互いに言い合ったり、明らかにキャパシティを超えた仕事を依頼することは、常識はずれです。

しかし結局、無償であるからといって、お互いに気を使っていては意味がないのです。

正直に言い合う際には、プロボノを進行する上でのルールを決めておくことが大事です。

  • プロボノで支援する範囲を予め合意形成しておく。
  • 議論の際には、可能不可能を明確に線引しておく。
  • 意見交換の際には目的を意識して行う。(例:パンフレットを広報目的で作るのであれば、議論がその目的から逸れたら遠慮せず修正する。)
  • プロボノの「報酬」はやりがいであると、お互いが認識しておく。
  • お互いが時間を使っているのであれば、最高のものを仕上げるというプロ意識を持つ。

このようにルールをプロボノチームだけでも認識しておくことで、正直に意見を言い合える土台が作れます。

特に、一見無償であるプロボノも、実はプロボノ参加者はやりがいを求めているので、支援先の団体もその「やりがい」に報いてあげることが成功の秘訣です。

お互い時間を割く以上、無償であるからといって遠慮しては、最高の仕事が出来ず、時間の無駄になってしまいます。

これは、プロボノ慣れしていない支援先に求めることは難しい部分もあると思いますので、プロボノをするあなたがリードする必要があります。

気候ネットワークさんとのプロボノは、お互いがプロボノに慣れていたので、うまくいった部分もあったのかもしれません。

プロボノ成功のコツ②:プロボノチームメンバーがモチベーションを上げあっている。

何度も申し上げますが、プロボノの成功は、個々人の達成感という「報酬」をいかに掴み取れるかにかかっています。

サービスグラントのプロボノではチームで役割分担をしながら、プロボノを行うのですが、これらのチームメンバーが自分のやりがいを認識し続けることが、良いアウトプットを生み出します。

  • アカウントディレクター
  • プロジェクトマネージャー
  • マーケッター
  • コピーライター
  • デザイナー

気候ネットワークさんとのプロボノでは上記の役割を担うチームメンバーがおりましたが、それぞれのメンバーがお互いのモチベーションを上げあい、輝いておりました。

その際に、上記の役割で、プロボノの成功を支えていたチームワークをいくつか振り返りたいと思います。

アカウントディレクター・プロジェクトマネージャー:プロボノの方向性とモチベーションを上げ続ける仕事

アカウントディレクターは、プロジェクト統括者です。支援先との間での成果物の目標設定から、チームメンバーの編成、チームの立ち上げ、そして、品質管理、アセスメントまで、プロジェクトの基盤づくりを担う役割です。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトチームのリーダーとして、各チームメンバーの作業の進捗状況の把握、NPOとの日常的なコミュニケーション、スケジュールの管理等を通じて、プロジェクトを円滑に進行させる役割です。

今回のプロボノのアカウントディレクター・プロジェクトマネージャーからは、リーダーシップ、マネジメントの本質を学びました。

プロボノの方向性に行き詰まったときに、支援先に対する明確かつ適切なタイミングでの目標設定によって、チームを導いてくれました。

団体に求める仕事と、チームに求める仕事を明確に切り分け、負担を分担してくれたり。

また、中だるみしそうなときも、チームメンバーに適切な声がけを行うことで、チームのモチベーションを上げていってくれていました。

チームメンバーが個々人の仕事に集中してしまったときに、みんなで協力してプロボノを進めるように提言してくれたり。

アカウントディレクターや、プロジェクトマネージャーには、このように適切なリーダーシップとマネジメント能力が求められますが、その能力の要求の負担を、チームメンバーが自覚して支えていくことも大事でしょう。

マーケッター・コピーライター・デザイナー:専門性・スキルを発揮し、自分とチームのモチベーションを維持し続ける。

マーケッターは、調査・ヒアリング担当です。NPOの事務局メンバー、理事、ボランティアスタッフ、会員、サービス利用者、支援者、関連分野の専門家等に幅広くヒアリングを行い、各主体のニーズを把握・分析する役割です。

コピーライターは、読み手の視点に立ち、「読み手の共感を得る」「読み手に伝わる」テキストの開発を担う役割です。

グラフィックデザイナーは、印刷物を支援するプロジェクトで、デザイン制作・クリエイティブワークを担います。

どの役割も、専門性をなくしては出来ない役割ですが、それ以上に重要なことがあります。

それは、役割を担う個々人が、良い意味で「諦めが悪い」ということです。

マーケッターは、調査から得られた、宣伝すべき強みや弱みや価値を問い続けました。

コピーライターは、常に専門用語やわかりにくい用語を、誰でも分かる言葉・伝わる言葉に翻訳し続けてくれました。

デザイナーも、支援先とプロボノ双方が納得できるデザインを追求し続けてくれました。

このように、自らの専門性・スキルを発揮できるような環境づくりとモチベーションの継続が、チームワークとして、アカウントディレクターやプロジェクトマネージャーと絡み合い、良い報酬が得られます。

プロボノの報酬は、意識するだけで大違い。

このように、プロボノは、自分の「価値」(スキル・社会貢献)を見つめ直す、良い体験になるかと思います。

他方で、価値を発見する以外にも、自分の足りない部分・スキルを再発見する場にもなります。

私は、今回のプロボノにおいて、自分の欠点が見つかりました。

それは、決まった期間(サービスグラントであれば6ヶ月)で、支援先の団体の本質的な問題や課題を見つけ出し、提案することが出来なかったことでしょうか。

例えば、ある団体が、人手不足に悩んでいるとします。

その人手不足の対策に、賃金を上げるという対策を取ったとします。

原因が賃金不足であれば、この人手不足は改善するでしょう。

しかし、問題の本質は、仕事が面白くなかった、ということが往々にしてあります。

つまり、問題の本質を捉えて、解決策を提示することが出来ていないのです。

今回のプロボノも、もしかしたら、本質を捉えた解決策ではなかったのかもしれない、という一抹の後悔はあります。

(もちろん、成果物に関しては、チームの皆さんと一緒に最高のモノを作り上げた自信はありますが。)

私の弱点が、このような問題の本質「Issue」から始めることが出来なかったということが今回のプロボノでよく理解が出来たので、弱点を発見し、そのための成長のきっかけにもなるのです。

本質を問いただすために自分がどんな経験が必要なのか、複雑化した問題を読み解く力、01のちから、それが何かはわからないが、ソーシャルセクターが課題に感じていることはこれを解決する力をつけることに通ずるような気がしています。

【書評】イシューからはじめよ。(安宅和人さん著)

この、問題の本質から解決策を講じていくという考え方は、イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」という本に載っていることが有名ではないでしょうか。

内容紹介

★ロジカルシンキング・問題解決の決定版!
★AI×データ時代の必携書。支持され続けて20万部突破!

やるべきことは、100分の1になる!

コンサルタント、研究者、マーケター、プランナー……
生み出す変化で稼ぐ、プロフェッショナルのための思考術
「脳科学×マッキンゼー×ヤフー」
トリプルキャリアが生み出した究極の問題設定&解決法

〈圧倒的に生産性の高い人〉に共通する問題設定&解決法
「イシュー」とは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの。
あなたが「問題だ」と思っていることは、そのほとんどが、「いま、この局面でケリをつけるべき問題=イシュー」ではない。
本当に価値のある仕事をしたいなら、本当に世の中に変化を興したいなら、この「イシュー」を見極めることが最初のステップになる。

目次

はじめに 優れた知的生産に共通すること
■序章 この本の考え方―脱「犬の道」
■第1章 イシュードリブン―「解く」前に「見極める」
■第2章 仮説ドリブン(1)―イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
■第3章 仮説ドリブン(2)―ストーリーを絵コンテにする
■第4章 アウトプットドリブン―実際の分析を進める
■第5章 メッセージドリブン―「伝えるもの」をまとめる
おわりに 「毎日の小さな成功」からはじめよう

出版社からのコメント

2010年の発売当初は読者の方から「数年に一度の問題解決の名著」「ロジカルシンキングの決定版」などの声を、そして現在では「AIとデータの時代だからこそ読みたい本」との声もいただくようになりました。
AIとデータの重要性が高まるなか、これからますます問われるのは、「感じる力」、「決める力」、「伝える力」。本書『イシューからはじめよ』は、それらを見つめ直し、磨き上げる一助になる一冊です。

【「イシュー」とは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの。】、本書はこの本質的な根っこの問題であるイシューを捉えることを主命題にしています。

これ、私がプロボノでも実感したことですが、イシューは、見つけることも難しいですし、解決するのはもっと難しいかもしれないです。

ただ、皆さんも身に覚えがあると思います。

「この仕事意味あるのか?」「もっと本質的な解決策はないのか?」「なんか毎回同じトラブルの解決してないか?」

などなど。

本書では、この根っこではない問題を何回も辿ることを「犬の道」という風に表現しています。

もし、「犬の道」にハマっていそうであれば、「イシューからはじめよ」から、ヒントを得てみてはいかがでしょうか?

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