【京都プロボノ感想】プロジェクトの方向性に迷ったら、目的に立ち返れ。
こんにちは、外資系セールスから転職→現在はベンチャー企業にて起業家を支援している冨田到(@ItaruTomita9779)です。
【プロボノ感想・体験談 in 京都④】製品の細部の構成に迷ったら、カスタマーファーストに立ち返ろう。【サービスグラント】の続きです。
こちらの記事は以下のような方向けの記事になります。
- 社会人ボランティアや、プロボノに興味があるが、どんなことをするのかわからず、一歩を踏み出せない。
- 会議や議論が何も決まらず、先に進まない。複数の選択肢の選び方がわからない。
- コンテンツを受け取った人にもっとしっかりメッセージを伝えたい、行動を促したい。
私は社会人1年目のころから、社会人ボランティアであるプロボノに参加しております。
今回のプロジェクトで2回目になりますが、そんな若手社会人でもソーシャルなキャリアを築けることをロールモデルとして発信していきます。
プロボノってなに?と気になった方には、以下の記事をおすすめします。
前回のプロボノワークでは、「パンフレットに載せる具体的な文章や画像」の詰めの会議を先方を行いました。
コピーライターの方や、デザイナーの方がメインに動き、マーケッターの私は、先方NGO/NPOさんの意見の収集に集中したのが前回の活動です。
どんな文章にするのか、どんな写真を載せるのか、先方のニーズを聞き取りながらも、そのパンフレットの想定読者が喜ぶものにできるか。
サービスグラントのプロボノチームと、気候ネットワークさんで練り上げました。
今回は、「前回提案したパンフレットの文章や画像の最終調整」の会議になります。
細部の文章や、本当にこのデザインでいいのか、本当にこの表紙の画像で良いのか。
5時間超の面白い会議になりましたので、何をしたのか、またそこからの学びをお伝えします。
プロボノ成功のコツ:チームで何かを決定する際には、「そもそも論・目的意識」を持ち続ける。
何か議論をしているときに、どっちが良いのかな?と「選択を悩む時」がありませんか?
あーでもない、こーでもない、意見が割れて話が進まない!
今回の会議でも、度々そんな場面が多々ありました。
下記は今回の制作物であるパンフレットA4冊子の素案です。
表紙・見開き・裏面と幅広く文字と写真を決定していかなければなりません。
(*完成物ではないので、あえて文字と画像をぼかしています。)
特に今回は、大事な表紙の写真の決定にかなり悩みました。
この写真が良いのでは、あの写真が良いのでは。
選択が必要な場面なのに、どっちか決めかねている議論になってしまったときには、こう言いましょう。(言いました。)
「そもそも、なんのための写真なんでしたっけ?このパンフレットの目的はなんでしたっけ?何を伝えたいパンフレットなんでしたっけ?」
これはあなたの会社の会議や、就活でのグループディスカッションでも同じです。
「そもそも、どっちが良いか決めるために、何のための議論なんでしたっけ?」
人間は色々な価値観を持っている人がいます。
議論をするときに、全員が同じ方向を向いているとは限りません。
そりゃそうですよね、同じ人間ではないのですから。
なので、目的意識を意識し続けることが必要なのですが、それを掲げることを我々は往々にして忘れてしまいます。
それを忘れて、個々人が「自分は~~だと思う。(目的は~~だから)」という発言をし始めます。
他方で、重要なのは、発言に含まれない「(目的は~~だから)」です。
ここを言わないから、全員の議論が噛み合わずに、どっちの選択肢が良いんだっけ?と迷子になってしまうのです。
せっかく、多様な人間が集まっているのに、一つの問題解決に全員の意見の方向性がバラバラだと、力がうまく集約されず、いいアイデアは出にくいです。
逆にこの、目的意識・そもそも論さえしっかりしてしまえば、面白い意見や面白いアイデアが出ることでしょう。
今回のプロボノのワークショップでも、参加者の人数が多いために、方向性がバラバラになることが多かったです。
そんなときにこそ、論点を整理してあげて、そもそも論・目的意識に立ち返る発言をしていきましょう。
表紙の写真もすごく悩んだ結果、「市民の力で気候変動を止める」というメッセージを伝えられる写真が良いよねという合意の元、良い写真を選ぶことが出来ました。
プロボノからの学び:「神は細部に宿る」
何を伝えたいか?そもそも論や目的意識が明確になったあと、細部に拘る必要があります。
写真を選ぶにあたっては、その写真で何を伝えたいのか?
文字を書く際には、その文字・文章で何を伝えたいのか?
「伝えたいこと」が重要になってくるのは言うまでもありません。
ただ、伝えたいことだけ考えるのでは、もったいないです。
「神は細部に宿る。(God is in the detail)」という言葉、聞いたことがありますでしょうか?
ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(Ludwig Mies van der Rohe、1886年3月27日 – 1969年8月17日)さんという建築家の名言です。
「細かいところにも、気を配れ。」という意味にも取れます。
しかしもっと言えば、「偉大なことを達成するためには、その構成要素にも妥協するな」と言う意味だと私は捉えています。
パンフレットの目的と、伝えたいことだけでなく、それがどう伝わるか、そして伝わったあとどんなアクションを読者に促したいか、ということまで考えました。
今回のプロボノの本当の目的は気候ネットワークさんの寄付・会員を増やすということになります。
なので、伝えたいメッセージを厳選するだけでなく、そのメッセージが実際に寄付・会員を増やすことにつながる行動を読者に促さないと意味がないのです。
この伝えたいこととそれがどう伝わるかについてに興味がある方は、下記の記事をご参考下さい。プレゼンを例に、お話しています。
コンテンツとは、人を動かしてこそ、質の高いコンテンツになると思っています。
北野唯我 @yuigak のプレゼン面白かった。さすが。
・良質なコンテンツとは、「人の変化」を起こすもの
・良いコンテンツ=原液+コンテキスト
・原液はあなたが広げたい魅力と世界が困っていることの重なり
・コンテキストは「How(誰が、いつ、どう言うか)」で「What(何を言うか)」を支える pic.twitter.com/4BdC20Vepy— 麻野耕司 Link and Motivation / Vorkers (@asanokoji) 2018年11月24日
今回のパンフレットで言えば、下記の点を考慮しています。
- 理解のしやすさ(漢字や文字を増やしすぎない。)
- 次の行動を促せるかどうか(URLやQRコードや申込書を添付する。)
- 最後まで読まなくても理解できるか(文章の結論を最初に持ってくる。)
神は細部に宿る。
プロボノ(社会人ボランティア)はスキルアップの貴重な体験である。
サービスグラントさんのプロボノは、長いプロジェクトでもだいたい6~7ヶ月程度です。
我々のプロボノも、今回の最終調整でほぼ終了です。
今回のパンフレットは、完成間近の最後の仕上げでかなり全員で知恵を絞って、細かいところまで気を配って作りました。
あとは、団体さんに、デザイナーさんが作ってくださったいくつかのパターンのデザインを選んで貰って、完成になります。
(表紙パターン:まだ未完成なのでぼかしています。)
今回のプロボノでは、改めて気付かされたこと(目的意識の重要性)や、初めて学んだこと(神は細部に宿る)など、日常の仕事では経験できない多くのことをサービスグラントのチームと気候ネットワークさんから勉強させていただきました。
気候ネットワークさん、チームの皆さん、ありがとうございました。
みなさんも、日常のルーチン化してしまった仕事に飽きてしまってきたら、一歩社外に目を向けてみて下さい。
みなさんの専門性や経験、熱意が社会のためになる場所がきっとあるはずです。
今回のプロボノは、あとは、完成品を楽しみに待つだけです。
完成した暁には、こちらのサイトでも宣伝したいと思います。
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