【東京プロボノ感想】NGOが企業寄付をもらう営業・ファンドレイズのコツ

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【東京プロボノ感想】NGOが企業寄付をもらう営業・ファンドレイズのコツ

こんにちは、外資系セールスから転職→現在はベンチャー企業にて起業家を支援している冨田到(@ItaruTomita9779)です。

前回のWWFジャパン様のプロボノプロジェクトの紹介の続きです。

WWFジャパンさんの生物多様性保全のプロジェクトについて、企業から資金援助・寄付金をもらうための営業資料の作成支援をしています。

今回は、企業から寄付金を得る(=以下ファンドレイジング)ために、その営業の際に必要なことがチームでの調査の中でわかってきたので、共有したいと思います。

◆本記事からの学び

ファンドレイジングにおける企業への営業提案のコツとは?

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NGOのファンドレイジングのコツは、3つあります。

さて、営利企業で働くプロボノチームの我々にとって、企業から寄付金をもらうために営業活動をする=ファンドレイジングは、未知の領域でした。

他方で、ファンドレイジングのコツについて、一流のファンドレイザー2名、大手企業のCSR担当者3名、大手企業の広報担当2名に聞いたところ、共通のコツが分かってきました。

結論から申し上げますと、以下のとおりです。

◆企業から寄付金をもらうファンドレイジングの営業提案のコツ

  1. そもそもそもそも、営業先の企業が、社会貢献に対して資金援助ができるシステムがあるのか確認する。
  2. そもそも、寄付金をもらうプロジェクトのビジョンと、対象企業のビジョンが合致しており、寄付金の使途によって、一つのストーリーが出来上がる。
  3. プロジェクトのスタートからゴールにかけて、どんな活動が必要で、今までの活動における客観的な数字と、これから必要な活動が明示され、透明であること。

ファンドレイズのコツ①:企業側の寄付する仕組みの確認

超そもそも論なのですが、企業側にCSRや社会貢献を考える人間や部門がないと提案しても意味がありません。

企業は法人ですから、小回りの聞くベンチャー企業や中小企業以外は、たくさんの人間の意思決定が必要になります。

つまり、一人の人間が、「このNGO共感できるから寄付したい!」となったところで、取締役に止められてしまうということです。(ただ、逆説的に、社長のワンマン経営であるケースは、トップ・社長さえ落とせば、ファンドレイジングがしやすいでしょう。)

その余談は置いておいて、どんなにあなたのファンドレイジングの提案が対象企業の目指す世界にマッチしていても、寄付の仕組みがなければ、寄付金をもらうことが難しいことを理解しましょう。

ファンドレイズのコツ②:ビジョンとストーリーの合致

ビジョンとストーリーの合致も超大事です。

CSRの担当者に、どんなプロジェクトやNGO/NPOに寄付しているかを聞きました。

彼ら彼女らは、決まってこう答えます。

「我々の事業と、寄付する非営利組織のプロジェクトの方向性(=ビジョン)が合っており、支援することで、魅力的なストーリーが出来上がるかどうか」

つまり、「お金を援助する⇒プロジェクトでお金が使われる⇒寄付金によって社会貢献がなされる⇒NPO/NGOのビジョンの達成=支援企業のビジョンの達成」ができるかどうかなのです。

DAIKINの事例

空調メーカーのDAIKINの事例で考えましょう。

「空気清浄」を売りにするDAIKINは、地球の空気がクリーンであることを、ビジョンとして考えます。

そのようなビジョンをDAIKINさんは、森林保全のプロジェクトに資金援助を行います。

森林保全によって、DAIKINの目指すクリーンな地球環境が一歩ずつ実現に向かうのです。

単純にNPO/NGOと企業のビジョンが同じであるだけでなく、そのプロジェクトを支援することで、企業の目指す姿のストーリーの一部になれることが大事なのです。

言ってしまえば、企業も後方としてCSRを行っている側面もあるので、広報的にもおいしいストーリーが作れると、そのファンドレイズを受け入れやすくなるとのことでした。

ファンドレイズのコツ③:プロジェクトのゴールとそのための活動が数字で明瞭で具体的である。

ビジョンとストーリーも重要ですが、現実的な数字や活動もめちゃくちゃ大事です。

法人である企業は、一般消費者と違って、感情的に共感しても簡単に買ってくれたり決済はしません。

多くの人がしっかり吟味して決めるシステムだからです。(再びですが、ワンマン経営なら別です。)

ビジョンやストーリーが感情面でのアプローチであるのに対して、具体的な数字や活動が論理面での納得感を与えるアプローチになります。

この両方のバランスが良いことで、企業に寄付のイメージを付けてあげることができるのです。

色々な企業の方にもファンドレイズのコツを聞きましたが、具体的な数字や、現在の活動や、未来に必要な活動が営業資料に載っていないと、下記のことに疑問を持たざるを得ないとのことです。

  • 自分たちが支援するプロジェクトは本当に信頼できるのか?
  • 自分たちが支援する意味があるのか?
  • 自分たちが関わって何が変わるのか?
  • そのプロジェクトが客観的にどれほど地球・人類にとって勝ちがある活動なのか?

などなど。

もし、あなたのファンドレイジングしたいプロジェクトにここが欠けているのであれば、早急に埋めていきましょう。

  • あなたのプロジェクトのゴールは?
  • そのゴールを具体的な数字で置き換えると?(森林保全なら、〇〇地域の森林を〇〇数保全するなど。)
  • そのゴールの数字を達成するために必要な活動はなに?(森林保全活動〇〇回など。)
  • 企業から資金をもらうことで、その活動がどれだけ推進される?(森林保全活動が〇〇回増えるなど。)

ファンドレイジングは、事業開発そのものである。

さて、今回はファンドレイジングのコツを、私が今携わっている「営業資料の作成のプロボノ」から学んできました。

そこで、感じたのが、ファンドレイジングは事業開発そのものだと思いました。

事業開発とは、事業のビジョン、事業の解決する価値、事業に必要な活動、事業に必要なマーケティング調査、事業に必要な営業活動、などなど、事業を作っていく・支えていくために必要な活動ですよね。

NPO/NGOの新規プロジェクトでも、結局、営利企業や行政や消費者を巻き込むような事業開発が必要なんだと思います。

事業開発の際に、その事業のゴールとビジョンを達成するための戦略を考え、そのための戦術を考えることが、営利企業から共感を得ることのできるファンドレイジングのコツであり、良い営業資料を作るコツなのでしょう。

事業開発を無意識的(計画せずにまずは動いてしまう)にしてしまうと、(NPOなどでは人手が足りず、もしくは知識が不足しており難しい)、資金繰りに困り、事業が立ち行かなくなってしまうのです。

今回は、ファンドレイジングのコツということでしたが、我々のプロボノは、そのファンドレイジングのコツを理解した上で、営業資料に落とし込むことが求められています。

次回は、その落とし込みのためにどのような活動が必要であったか、その学びを記したいと思います。

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