【営業】人を動かし、相手を味方につける外資系で学んだ5つの交渉術

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【営業】人を動かし、相手を味方につける外資系で学んだ5つの交渉術

こんにちは、外資系セールスから転職→現在はベンチャー企業にて起業家を支援している冨田到(@ItaruTomita9779)です。

仕事をしていると、人から頼み事をされたり、頼み事をすることがありますよね。

また、お客様に対して、要求するのが難しい事柄を突きつけないといけない、いわゆる「交渉」は非常に難しいものです。

特に、営業職の皆様は、タフな交渉を多く経験されているのではないでしょうか。

私も、前職の外資系メーカーの時には、顧客からのクレームや、売上のためのハードな販売協業交渉、相手にメリットの少ない交渉をいかに通すか、苦労したものです。

今回は、私が外資系メーカー時代に経験した「交渉」体験をもとに、人を動かし、自分の要求を通すための交渉テクニックを共有したいと思います。

売れる営業マンになるための、営業の基本から応用スキルまで学習したい方向けのロードマップを公開しました。

当記事では、多くの人が経験する営業という仕事のスキルや姿勢について、基礎から応用までまとめました。

  • 営業ロードマップ入門編:営業とは何か?
  • 営業ロードマップ初級編:営業の売れない時期を乗り越える。
  • 営業ロードマップ中級編:顧客を成功に導く。
  • 営業のロードマップ上級編:顧客をコントロールする。

私が外資系のメーカーで学んだ営業を、限りなく網羅的にまとめました。

一流の営業マンを目指す方はもちろん、これから営業職に転職する・就職する人や、若手の新卒営業マンの人は是非ご覧ください。

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そもそも「交渉」とは何か

そもそも、「交渉」とは何か、考えてみましょう。

これを考える意味は、「交渉」のルールを理解し、正しく攻略することに寄与します。

簡単に言ってしまえば「交渉」とは、「対象者に、相談・対話を通じて、自分のお願いを通す」ことですね。

このお願いと言うのは、無理難題であったり、相手にとっては比較的受け入れづらいものであったりします。

簡単に通るお願いは交渉ではなく、依頼や指示などと言ったほうが適切でしょう。

なので、交渉というものは、自分が比較的に難しいお願いをしているのだ、ということを改めて念頭に置く必要があります。

「交渉」は何もビジネスの場だけでなく、日常的な交友関係や、デートの行き先、家電量販店での買い物での値下げ、など、色々なシーンで発生します。

最近はメルカリで商品を出していると、すぐ値下げを交渉してくるほど、ビジネスマン以外にも生活には密接でしょう。

では、このような相手に無理なお願いを通す「交渉」、そんな不利なシーンではどのようなお作法(=スキル・コツ・ルール)があり、どのように攻略すべきなのでしょうか。

交渉で意識すべき「お作法(スキル・コツ・ルール)」とは

交渉で良い結果を得るためには下記の攻略のための「お作法=スキル・コツ・ルール」があります。

  • 交渉の着地点と反論に備えよう。
  • 不利な交渉だからこそ、「相手のメリット」を用意する。
  • 相手が受け入れても良いボーダーラインはどこか?
  • 相手を説得する最高の材料は「相手の顧客を仲間にする」こと。
  • 相手の代替案を理解しよう。

抽象論ばかりだと実感しづらいと思うので、今回は上記のお作法(スキル・コツ・ルール)を具体例を交えて攻略してみましょう

ビジネスの話で恐縮ですが、私の仕事の事例で、「私の会社の、売れるかも分からない新しい製品を、”販売を代理してくれる店”に、先行受注して売ってもらう」という交渉を例に出しましょう。

メーカーの人間としては、”販売を代理してくれる店”に自社の製品を納めると、売上も立ちますし、販売する体制が整うので嬉しいのです。

しかし、”販売を代理してくれる店”からすると、売れるかも分からないものを、発売前に買いたくないわけです。

それでは、上記の項目をこんな事例に沿って、解説していきます。

【スキル・コツ①】交渉の着地点を考えよう。

交渉の際に漠然と「〇〇できるといいなぁ」という姿勢で臨んでは、結果は伴わないでしょう。

交渉では、相手次第で、色々な話の展開が想定されるので、どこに着地するかを想定しながら、進める必要があります。

改めて、今回の「売れるかも分からない新しい製品を”販売を代理してくれる店”に先行受注して売ってもらう」という交渉を例に考えてみましょう。

多くの人間はなんとなく「新商品を買ってくれるといいなぁ」とそんな気持ちで望みますが、それではあなたの望む理想の結果を勝ち取ることはできません。

着地点は5W1Hで作っておくと良いでしょう。

すべての交渉で全部のWとHを考える必要はありませんが、最初はやってみると着地点が明確です。

ストレスはかかりますが結果を得やすい交渉になります。

  • Who:誰にお願いするのか
  • What:何をお願いするのか
  • When:いつまでに、いつお願いするのか
  • Where:どこで、どこへお願いするのか
  • Which:どれを、どこからお願いするのか
  • How:どのようにお願いするのか(実行してもらうのか)
  • How Many:いくつの数をお願いするのか(勝ち取りたいのか)
  • How much:いくらでお願いするのか(勝ち取りたいのか)

今回の事例で考えると、下記のような着地点を考えてみました。

「販売店(Who)に、新商品(What)を、2月の月末まで(When)に、販売店の倉庫(Where)へ、私の会社(Which)から、私に電話を貰う形(How)で100セット(How Many)を1セット1万円(How much)で発注してもらう。」

他方で、いつもこのような理想の着地点ばかりに落ち着くこともないでしょう。

相手からの反論が想定されます、例えば下記のような形です。

メーカーの私「販売店様、この新商品を今月末までに、100セット(1セット1万円)買っていただけませんか。」

販売店「そうは言われてもね、100セットも売れるかわからないし、そんなすぐに買えないよ。第一、先に仕入れるメリットなんてあるの?」

交渉は「そもそも交渉とは」で確認したとおり、不利なシーンが多いので、あなたの理想の着地点に対してくるであろう、反論を想定しておく必要があるのです。

ここで、交渉のスタートでは、反論を想定して、交渉時に要求する数字や目標数を高く出しておくのは、よくあるテクニックです。

例えば、「本当は90セット買ってもらえればよいが、多すぎると言われるのを想定して、100セットを要求する」などといったことです。

そして、この事例では数量だけではなく、「そもそも先行して仕入れるメリットがわからない」という反論が来てしまいました。

【スキル・コツ②】交渉の反論想定とメリットの用意

このような反論は、交渉してみなくても、想定できる反論です。

なぜなら、まだ発売してない製品を相手に買ってもらおう、しかも売れるかわからないものを先に仕入れるお願いしているわけです。

本来は、人間の心理としては、当然発売してから様子見して、売れそうなら仕入れて売ればいいだけだからです。

これと同様な事例として、日常的なシーンでは、家電量販店で値引き交渉をするときには、「他の店よりも、うちはかなり安いのでもう値引きできません!」とか、言われてしまうかもしれません。

反論を想定するには、「無理なお願いに対して、自分だったらどう嫌な気持ちになるか、反論したくなるか」、考えるのがいいでしょう。

反論を想定する意味は、ここでの反論が克服できないと、理想の着地点には届かないからです。

また、反論に対して必要なのが、相手を説得するメリットの提示です。

反論するのは、当然ですが、自分が不利な要求を飲まされると思っているからです。

しかし、相手にも交渉を飲むメリットさえ用意できれば、理不尽なお願いをされているとは思わなくなるでしょう。

相手も、「自分が一方的に理不尽なお願いをされている」、と思ってしまうよりかは、「この提案は私にもメリットがありそう」と思ってくれたほうが交渉が通りやすいのは当たり前ですね。

こちらの事例では、下記のような反論に対するメリットの提示をしてみます。

メーカーの私「100セットを先に仕入れると、他社に先行して御社をご紹介しますよ。」

販売店「それは確かに仕入れておく意味があるね…でも100セットはちょっと多いんじゃない?」

メリットを提示すると、このように一定の理解をしてしてくれるわけです。

しかし、メリットを理解してもらったあとでも、このように反論が続きます。

特に、交渉の大筋を理解いただいでも、How(どのように)、How many/much(数量、値切り交渉)などの個別ケースで揉めることが多いんですよね。

総論賛成各論反対、というやつです。

家電量販店でも、「値下げしてくれたら、今日この場で買いますよ」とか、メリットを提示してみることで、値下げの道が拓けることもありますね。

【スキル・コツ③】相手が受け入れても良い交渉ボーダーラインをさぐれ。

この反論も克服する必要がありますが、どのように交渉すべきでしょうか?

家電量販店で値切ろうとしたら、「値下げできません!」と一点張りされてしまったときにも使えるテクニックが、あるんですよね。

それは、交渉の際に、相手がどこまで受け入れられるのか、「ボーダーライン」を測ることです。

メーカーの私「100セットは多いですか…。それでは何セットなら多くないでしょうか?もしくは何セット普段在庫していますか?」

販売店「90セットかな…。」

メーカーの私「それでは、90セットで購入していただけますでしょうか?」

このように、相手の許容範囲の物差しを見ることが大事です。

物差しがないことには、交渉のシーンで、受け入れるか、受け入れないか、2択の結果になってしまうんです。

交渉の結果を0か1ではなく、なにか勝ち取って帰ってこないと交渉する意味も薄まりますので、ある意味「妥協点」を探る活動になります。

しっかり、下記のような質問をすることで、物差しを見つけて、妥協点を探りましょう。

  • いくらであれば購入してくれますか?
  • 普段はいくらで買っていますか?
  • いくらまで値引きが可能でしょうか?
  • 他のケースではいくらまで値引きをするケースが多いのでしょうか?
  • 何セットであれば、普段購入していますか?
  • 何セットであれば、買っていただけますか?
  • 何をすれば買っていただけますか?
  • 何があれば、交渉の条件を飲んでいただけますか?

こんな質問を適宜行うことで、交渉の物差しができるので、お互いにメリットのある着地点を見つけ出すことが出来るわけです。

家電量販店でも、店が「どこまで値段を下げられるのか、下げるための条件はなにか」、探ることができますね。

【スキル・コツ④】相手を交渉で説得する最高の材料「仲間づくり」

しかし、相手にメリットを提示して、妥協点を探っても、交渉がうまく行かないこともあります。

例えば、こんな感じ。

メーカーの私「それでは、90セットで購入していただけますね?」

販売店「うーん、やっぱり90セットが捌ける自身がないなぁ…」

こうなった時に、交渉を通すために一番の材料がなにか、皆さんは御存知でしょうか。

それは、相手が信頼する人間に証言させること、です。

例えば、こんな感じ。

メーカーの私「90セットですが、実は御社の顧客の多くの方が買いたいと言っているんです。特に〇〇さんとか。」

販売店「え?お客さんが買いたいと言うならば、たしかに売れる可能性は高いなぁ…」

メーカーの私「他にも、〇〇さんが、〇〇な理由でほしいと言っているんです、これは売れますよ。」

販売店「なるほど、90セット仕入れちゃおうかな!」

つまり、上記のように、「相手の顧客」を味方につけたり、「相手の上司」に証言させたり、よりパワーバランスの強いところを味方につけるのです。

自社の上司を説得するときにも、「〇〇株式会社さんが言ってるんです、この企画を通しましょう」と、上司よりも正義である顧客を盾にして、交渉を通すことは、テクニックとしても使えます。

【スキル・コツ⑤】交渉はBATNAも意識しよう。

しかし、上記のコツを意識しても、交渉は常に上手くいくわけではありません。

私もたくさん失敗してきましたが、失敗するときには、ある法則があります。

それは、相手側からしたら、「交渉しなくてもいいや」という現実があるから、交渉が通らないわけです。

この「交渉しなくてもいいや」という状況には、相手にとって、あなたの交渉で実現できる状況の「代替案・代替できる状況」が存在してしまっているからなんです。

例えば、メルカリで値下げをお願いするとして、それが受け入れられない時、「別の購入者がいるかもしれないから値下げしなくていいや」という代替案があります。

例えば、メーカーの私が販売店の方に製品の購入を交渉して上手く行かない時、「他のメーカーの製品の方が魅力的だからいいや」という代替案があるわけです。

これは、交渉学では、「BATNA(Best Alternative to Negotiated Agreement)」・「交渉相手から提示された選択肢以外の、最も望ましい代替案」と言います。

このBATNAが交渉における限界であったり、壁になってしまうことがあります。

これは、交渉の際に反論を想定するのに通じますが、交渉の際にBATNAを明らかにしないといけません。

相手のBATNAがわかれば、そのBATNAを超える提案を行わないといけないのです。

相手がりんごを100円で仕入れられる(BATNA)のであれば、あなたは100円以下のりんごを提案するか、100円以上で価格をこえる付加価値を提案しなければいけません。

また、BATNAは、有利なときの交渉でも意識する必要があります。

もし自分が要らなくなったiPhoneを友だちに売るなら、中古ショップで1万円で売れる(BATNA)なら、1万円以上の値段設定から始めることもできます。

常に「相手のBATNAは何か?」を意識して、ヒアリングして、交渉に臨みましょう。

誰もが得する交渉を目指そう。

さて、今回は上記のように、交渉時に気をつける「お作法=スキル・コツ・ルール」をお伝えしました。

しかし、実際には「誰もが得する交渉」を目指せば、交渉がうまくいくことは間違いないですね。

これが中々難しいのですが、常に相手の立場に立って、相手の希望を超えて、お互いがメリットを享受できる提案を行いましょう。

改めて、交渉の時に意識してもらいたい点を下記の表にまとめてみました。

 項目 あなたの交渉
目的 「売れるかも分からない新しい製品を”販売を代理してくれる店”に先行受注して売ってもらう」
Who:誰にお願いするのか 販売店のマネージャーに
What:何をお願いするのか 新商品を
When:いつまでに、いつお願いするのか 2月の月末までに
Where:どこで、どこへお願いするのか 販売店の倉庫へ
Which:どれを、どこからお願いするのか 私の会社から
How:どのようにお願いするのか(実行してもらうのか) 私に電話を貰う形で
How Many:いくつの数をお願いするのか(勝ち取りたいのか) 100セットを
How much:いくらでお願いするのか(勝ち取りたいのか) 1セット1万円で発注してもらう。
想定される反論 100セットはちょっと多いんじゃない?と言われるかもしれない。
相手が受け入れても良いボーダーライン 相手が受け入れられるセット数をヒアリングする。
説得材料 販売店に関係する顧客が買いたいと言っている。
BATNA 他のメーカーの製品でも売りが立てられる。という代替案がある。
BATNA対策 製品の差別化や価格を下げる提案をする。

ぜひ、いきなり交渉に挑まずに、表にまとめて、挑戦してみて下さい。

その先に、最高の交渉結果が待っているでしょう。

より交渉をわかりやすく、基礎的に学びたいという方は下記の本もおすすめです。

会話形式でわかりやすく、交渉とはなんたるかを、教えてくれる本です。初心者におすすめですね。

売れる営業マンになるための、営業の基本から応用スキルまで学習したい方向けのロードマップを公開しました。

当記事では、多くの人が経験する営業という仕事のスキルや姿勢について、基礎から応用までまとめました。

  • 営業ロードマップ入門編:営業とは何か?
  • 営業ロードマップ初級編:営業の売れない時期を乗り越える。
  • 営業ロードマップ中級編:顧客を成功に導く。
  • 営業のロードマップ上級編:顧客をコントロールする。

私が外資系のメーカーで学んだ営業を、限りなく網羅的にまとめました。

一流の営業マンを目指す方はもちろん、これから営業職に転職する・就職する人や、若手の新卒営業マンの人は是非ご覧ください。

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