【転職】大企業→ベンチャー・スタートアップのリスクは「ヒト・モノ・カネ」で分析せよ。【実体験】
こんにちは、外資系セールスから転職→現在はベンチャー企業にて起業家を支援している冨田到(@ItaruTomita9779)です。
20名程度のベンチャー企業の新規事業開発の担当へ転職し、働いております。
安定した会社や、大企業からベンチャー・スタートアップへ転職する際って、「リスクがありそう」と怖くなる時がありますよね。
しかし、漠然と「リスクがありそう」と思ってしまい、転職を躊躇してしまうのはもったいないでしょう。
今回は、ベンチャー・スタートアップ起業への転職で生じる「リスク」とはなにかを定義します。
そして、そのリスクを解消しながらより良いキャリアを手に入れる方法を下記のような流れで、実体験ベースで解説していきます。
- リスクは、「環境の変化で生じる”かもしれない”マイナスの事象」
- ベンチャー・スタートアップへの転職のリスクは「ヒト・モノ・カネ」に分けられる。
- 「ヒトは一緒に働く仲間」、「モノは事業・仕事内容」、「カネは給料」
- 自分の転職の目的に照らして、万が一悪化したら「リスク」だと思われるものを定義しよう。
それでは、順番にみていきましょう。
ベンチャー・スタートアップ領域への転職が未経験な方向けに、転職の成功ステップのロードマップを公開しました。
当記事では、注目の集まってきているベンチャー・スタートアップへの転職ついて、目的の設定から最終的な会社の決め方までまとめました。
- 基礎編:ベンチャー・スタートアップへの転職の思考法、注意点を学ぶ。
- 選び方編:転職の目的を設定し、目的に合致するベンチャー・スタートアップを探す。
- 面接編:転職したいベンチャー・スタートアップに自分の魅力を伝え、マッチングする技術を学ぶ。
- 決め方編:ベンチャー・スタートアップ転職を決めきるための、不安や目的の再確認を行い、決断を下す。
私が外資系の大企業からベンチャーに転職した際に悩んだことをベースに転職の流れに沿って記事をラインナップしていますので、転職に興味がある方はぜひ御覧ください。
ベンチャー・スタートアップへの転職のリスクの定義
リスクは、「環境の変化で生じる”かもしれない”マイナスの事象」と定義できます。
下記の画像のように現在地から、場所A~Cに移ったとします。
このとき、赤枠で示されている場所Cの部分が「リスクがある場所」になります。
今いる場所から、必ずしもリスクがある場所に行き着くわけではないのです。
当然、挑戦という選択をすることによって、リターンを得られることも、何も変わらないことがあるのです。
これは、ベンチャー・スタートアップへの転職における「リスク」でも同様です。
ベンチャー・スタートアップへの転職がすべて場所Cになるのではなく、AもBもC(リスク)もあるのです。
転職することのリスクとは
では、一般的に「転職におけるリスク」とは何でしょうか。
具体的には、あなたが現在勤めているA社から転職を検討しているB社に移ったときに、一般的に考えられるリスクはなにか?と考えるとわかりやすいです。
例えば、ざっくりいうと、給料であったり、人間関係や、仕事の内容・今後の安定性などでしょうか。
すなわち、A社からB社へ働く会社が変わるということで、会社の構成要素である「ヒト・モノ・カネ」が変わるのです。
なので、転職におけるリスクは下記のように、「ヒト・モノ・カネ」で分類することができます。
- ヒトは「一緒に働く仲間や経営者」
- モノは「事業のサービスや製品、仕事内容」
- カネは「給料」
これらの変化が、ベンチャー・スタートアップへの転職における”リスクの候補”になり得ると言うところです。
”リスクの候補”の意味は、転職を検討している先に応じて、「ヒト・モノ・カネ」は変化するので、リスクになるケースもあれば、リスクにならないケースもあるからです。
また、”リスクの候補”の意味は、あなたの転職の目的が何かにもよって、リスクをどう捉えるかで、リスクであるかどうかは変わってしまうということもあります。
例えば、仕事の内容や職種を変更するジョブチェンジが目的であれば、給料が下がることはリスクではないですよね。
ですので、あなたの今いる会社から、「これが変わってしまうと問題だよね」という部分をヒト・モノ・カネからリスクとして定義し直しましょう。
もし転職の目的がまだ決まりきっていないのであれば、リスクを考える前に、一緒に転職の目的を考えてみましょう。
目的の設定の方法は下記の記事が参考になります。また、目的に加えて、転職に際しての譲れない条件・軸も転職先を絞るのに必要ですので、ご参考ください。
その上で、”あなたにとって”ベンチャー・スタートアップの転職はリスクがあるのか?を考える必要があるのです。
次は、ベンチャー・スタートアップ転職における「ヒト・モノ・カネ」のリスクを具体化していき、自分にとってリスクかどうかを検討してみましょう。
ベンチャー・スタートアップ転職における「ヒト・モノ・カネ」のリスク
ベンチャー・スタートアップでは、ヒト・モノ・カネは下記のような特徴があります。
- ヒト:自分で考えて行動できる、突破できる人材が多い。ビジョンを語り熱量が高い。他方で大企業で求められるような社内調整力や、ロジカルシンキングは揃っていないケースもある(大企業出身者も増えてきているので会社にも依存)。
- モノ:新しいサービスや課題を解決する事業なため、困難も多いがやりがいがあるケースが多い。他方で、借り入れや資金調達を積極的に行うので、赤字経営で不安定なシーンもある。
- カネ:利益を成長投資に回すので、大企業から転職すると下がるケースが多い。ただ、VCなどから資金調達をしていると給料が意外と出る。他方でストックオプションの付与のケースも有る。
上記以外にも、ベンチャー・スタートアップのヒト・モノ・カネの特徴はあるかもしれませんので、一例として、また傾向としてご参照ください。(会社によりますので絶対ではないが、傾向はある。)
ちなみに、ヒト・モノ・カネ、どれをとっても、ベンチャー・スタートアップの事業のステージに依存する部分が多いので、このような傾向があります。
ベンチャー・スタートアップで求められる人材については下記の記事でご紹介しています。
履歴書と職務経歴書の書き方をケーススタディと一緒に紹介しているので、求められる人材像に加えて、それらも知りたい方にもおすすめです。
この傾向を掴んだ上で、一例になりますが、下記のような項目をリスクと捉えるのかどうかを自分に問うて見てください。
- ヒト:一緒に働く人として、成長意欲や熱量が高い人とは良いチーム関係が自分に築けるか?その組織のカルチャーはあっているのか?また自分のスキルの成長は求めたいのか?
- モノ:事業の方向性として新しいものを生み出すほうが好きか?またそれに伴う事業の不安定化に耐えられるか?
- カネ:給料について、一度下げてでもベンチャー・スタートアップでの経験を取りたいか?もしくはストックオプションで不安定ながらも、一攫千金を狙いたいのか?
ヒト:人間関係とカルチャー
人間関係は、ベンチャー・スタートアップでは人数も少ないので、結構重要です。
「人間関係で辞めるのは初めてだ」と、合わずに去っていくヒトも少なくはないからです。
組織によっては、「問題を提起しないのは×」とか、「他人の成長も自分の成長とせよ」とか、「圧倒的当事者意識を持て」とか、色々なカルチャーと人間関係がありますので、ヒトのリスクも無視できません。
モノ:事業の方向性
また、モノについては、自分の実力を発揮できる環境が、新規創造型でなくても頑張りたいと思えるだけの覚悟がないと辛い仕事になる可能性も高いです。
当然、世の中に広まってないサービスを広めていくので、安定した会社で仕事をするのとは、違った難しさもあります。
新しく生み出す事業やビジョンを愛せるだけのリスクテイクが必要な可能性もあります。
また、万が一にも採用のタイミングをミスって、事業成長も止まってしまい、ベンチャーとは名ばかりの中小企業になる可能性も否めません。
カネ:ストックオプション
ストックオプションについては、IPO=上場を目指している会社であれば、自分の転職のインセンティブとして、取り入れるのもありかと思います。
しかし、転職のタイミングが創業間もない時期であったり、経営層のポジションでないと、付与されないこともあります。
ちなみに、ストックオプションの付与については、IPOをするときに、有価証券報告書(通称:有報)や目論見書にも載っています。
結構、経営者の性格によって、株の分配率は違うので、その点は転職してから気づくのではなく、リスクヘッジのために面談時に聞いておく必要があります。
ベンチャー・スタートアップへの転職のリスクテイクとリスクヘッジの使い分け
ベンチャー・スタートアップはヒト・モノ・カネで上記のようなリスクの特徴があります。
しかし、これらのリスクは、「リスクだから避けるしかない」というわけでもありません。
これらをリスクと捉えるのであれば、事前にリスクヘッジをすることも可能ですし、逆に認識した上でリスクテイクをするという選択も可能です。
下記の記事にて、ベンチャー・スタートアップへの転職の失敗の原因として、「思い込み」を挙げています。
リスクは「思い込み」を排除することによって、リスクを知らないまま受け入れるよりも、知った上でリスクテイクする、もしくは知った上で回避することも可能なのです。
「リスクは、避けるべき」という観点は無視できませんが、時には”リスクを理解した上で受け入れる”ことも重要なのです。
再掲ですが、下記の図の通り、我々の人生は行動によって、良くもなりますし、悪くもなります。
行動の選択は、もう一つの選択肢を捨てることです。
なので、ベンチャー・スタートアップへの転職という選択肢を選ぶことで、現状を改善することだってできるんです。
リスクが1でもあれば、挑戦しないのではなく、リスクを理解し、それでも挑戦していくことで、ステップアップは望めるのではないでしょうか。
他方で、「いざ転職!」となった際に、「この転職先で良いのかな?」と思ったときにこそ、自分の視野を広げたり、原点に戻って、冷静になることも大切です。
ベンチャー・スタートアップへの転職先って、どんな選択肢があるの?どんな会社があるの?という方には、探し方を改めて見るのもおすすめです。
ベンチャー・スタートアップの探し方については下記の記事を参考にしてみてください。
もしベンチャー・スタートアップへの転職が気になっているのにも関わらず、漠然と「リスク」について、不安がある方は、今の会社から転職することで、どんなリスクが現れるか、一度考えてみてください。
その際に、あなたの転職の目的から逆算して、「リスク」を具体的に考えていくことが、あなたの転職の成功に繋がると思います。
ベンチャー・スタートアップ領域への転職が未経験な方向けに、転職の成功ステップのロードマップを公開しました。
当記事では、注目の集まってきているベンチャー・スタートアップへの転職ついて、目的の設定から最終的な会社の決め方までまとめました。
- 基礎編:ベンチャー・スタートアップへの転職の思考法、注意点を学ぶ。
- 選び方編:転職の目的を設定し、目的に合致するベンチャー・スタートアップを探す。
- 面接編:転職したいベンチャー・スタートアップに自分の魅力を伝え、マッチングする技術を学ぶ。
- 決め方編:ベンチャー・スタートアップ転職を決めきるための、不安や目的の再確認を行い、決断を下す。
私が外資系の大企業からベンチャーに転職した際に悩んだことをベースに転職の流れに沿って記事をラインナップしていますので、転職に興味がある方はぜひ御覧ください。
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