【書評】「時間は存在しない」で養う、常識を疑う思考力

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【書評】「時間は存在しない」で養う、常識を疑う思考力

こんにちは、17卒社会人の外資系営業マン3年目のたーとむ(@tartom7997)です。

皆様、突然ですが、我々が当たり前と考えている「時間」の存在を証明することは出来ますか?

「え?時計が進んで時間を数えてるじゃない。」、「いやいや、過去の記憶とかあるから時間は流れてるでしょ?」、こんなことを思うのではないでしょうか。

しかし、そんな我々の常識を根本から揺さぶる本に出会いました、「時間は存在しない」という本です。

今回は「時間は存在しない」の感想と書評を書きながら、下記の学びをお伝えしたいと思います。

「時間は存在しない」からの学び
  • 物理学で測れる水や火などのような、「絶対的なモノとしての時間」は存在しない。
  • 時間は、「エントロピーの増減」と「我々の記憶」によって初めて、認識できる。
  • 「時間の存在のような真理、常識、当たり前」はいつも誰かに作られている。
  • 盲目は知性を濁らせる。幸福は思考と疑問の先にある。

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内容紹介

◎イタリアで18万部発行、35か国で刊行決定の世界的ベストセラー
◎タイム誌の「ベスト10ノンフィクション」
◎HONZで紹介! (2019年9月5日)

時間はいつでもどこでも同じように経過するわけではなく、
過去から未来へと流れるわけでもない――。

“ホーキングの再来”と評される天才物理学者が、
本書の前半で「物理学的に時間は存在しない」
という驚くべき考察を展開する。
後半では、それにもかかわらず私たちはなぜ
時間が存在するように感じるのかを、
哲学や脳科学などの知見を援用して論じる。

詩情あふれる筆致で時間の本質を明らかにする、
独創的かつエレガントな科学エッセイ。

出版社からのコメント

【レビュー】
●きわめて独創的。現代物理学が時間に関する私たちの理解を壊滅させていく様を紹介している。――「ニューヨーク・タイムズ」紙
●わかりやすく目を見開かせてくれるとともに、われわれの時間・空間・現実の見方を覆すような読書体験をもたらす。――「タイム」誌
●時間の本質へと向かう、実に面白くて深い探求。この作品を読む人すべての想像力をとらえて離さない詩情と魅力がある。――「フィナンシャル・タイムズ」紙
●スティーヴン・ホーキングの『ホーキング、宇宙を語る』以来、これほどみごとに物理学と哲学とを融合した著作はない。――「ガーディアン」紙

著者について:カルロ・ロヴェッリ Carlo Rovelli

理論物理学者。1956年、イタリアのヴェローナ生まれ。ボローニャ大学卒業後、パドヴァ大学大学院で博士号取得。

イタリアやアメリカの大学勤務を経て、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、量子重力理論の研究チームを率いる。

「ループ量子重力理論」の提唱者の一人。『すごい物理学講義』で「メルク・セローノ文学賞」「ガリレオ文学賞」を受賞。

『世の中ががらりと変わって見える物理の本』は世界で100万部超を売り上げ、大反響を呼んだ。

本書はイタリアで18万部発行、35か国で刊行予定の世界的ベストセラー。タイム誌の「ベスト10ノンフィクション(2018年)」にも選ばれている。

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物理学から紐解く「時間の存在」

さて、我々の常識では「時間は存在する」と、考えるのが普通です。

しかし、本書では、時間は場所によって変動するという問題提起からはじめ、その絶対的な存在に疑義を呈します。

例えば、山の上と地上では時計の進むスピードが違ったり、早く動く人と動いてない人で時間の進み方が違うといった、事実があります。

動いている人間はあまり年を取らず 、時計の刻みが遅くなり 、考える時間が少なくなり 、持ち歩いている植物は発芽するのに時間がかかる。

動くものすべてにとって 、時間がゆっくり進むのである。

したがって 、動いている物体が経験する時間は 、静止している物体が経験する時間より短い 。

腕時計が刻む秒の数は少なく 、植物の成長は少なく 、若者の夢は短くなるのだ 。

これは、大学で理系だった人からすると、実は当たり前かもしれませんが、文系人間である私には衝撃的でした。

ここで、理解できるのは、物理学的には時間は世界中で同一ではないという事実がわかります。

つまり、空気や火や水のように、分子・原子のように構成され、絶対的な存在として認識することは出来ないということです。

この広大な宇宙に 、わたしたちが理に適った形で 「現在 」と呼べるものは何もない 。

しかし、時間の「今・現在」の絶対性は揺らぎますが、「過去と未来」はどのように考えればいいのでしょうか。

唯一、時間の「過去と未来」を物理学的に測る方法として、時間を「事物の変化」として捉える方法があります。

事物の変化をミクロに観測すると、それは「エントロピーの増大によるエネルギーの変化」です。

時間(過去と未来)の計測はエントロピーの増減でしか出来ない。

少し熱力学の用語でいうと、エネルギーの変化は、すなわちエントロピーの増大です。

わかりやすく言うと、1~12の順にきれいに並べたトランプをシャッフルすると、ランダムに数字が乱れると思いますが、このような秩序性→混沌性への変化がエントロピーの増大になります。

また物理学チックに言うと、位置エネルギー、運動エネルギーなどのエネルギーを習ったことがあるかと思いますが、モノが変化するときのエネルギーが熱エネルギーに変化し、熱は段々と冷たくなる変化もエントロピーの変化です。

身近な例でエントロピーと時間の変化を例えると、動画視聴後に「時間が過ぎたな」と感じる際には、「スマホの電気エネルギーが熱エネルギーに消化され、体内の食べ物のエネルギーが消化され脳みそが稼働」しています。

つまり、エントロピーの増大(熱力学の第二法則)が、物理学で唯一時間の「過去と未来」を計測する方法になります。

ここで重要なのが 、落体との違いだ 。

ボ ールは落ちることができるだけでなく──たとえば跳ね返ることによって──勝手に戻ってくることができる 。

ところが熱は 、そうはいかない 。クラウジウスが発表したこの法則は 、過去と未来を区別することができる 、ただ一つの基本的物理法則なのだ

熱は熱い物体から冷たい物体にしか移らず 、決して逆は生じないという事実にある 。

ここからわかる事実は、「時間」は物事の変化(エントロピーの増大)とセットで存在出来る、ということなのです。

エントロピーの増大(過去と未来)は、人間の認知のさじ加減でしか無い。

ただ、一つ注意なのが、水とか空気と違って、時間は物理的に定義は出来ますが、観測は出来ません。

結局は人間の認識が、その存在の確立に必要だということです。

トランプの数字が順々であることと、ばらばらであることに、秩序と混沌(すなわち過去と未来)を見出すのは人間の認知に他ならないからです。

エントロピーの増大は結局は人間の認知の問題で、時間は人間の経験や記憶や認知によって、成り立つこととも理解できます

この世界を出来事 、過程の集まりと見ると 、世界をよりよく把握し 、理解し 、記述することが可能になる 。

これが 、相対性理論と両立し得る唯一の方法なのだ 。この世界は物ではなく 、出来事の集まりなのである 。

このあたりの結論は、本書ではかなり丁寧に事例を交えながら説明していますので、深掘りしたい、納得できない人は本書を読んでみて下さい。

「常識」を盲目に信じる思考法から卒業のススメ

「時間は存在しない」という事実を学び、我々のような一般人が学ぶべき事実は何でしょうか。

それは、自分たちが「常識」と考えることを疑う思考力を養う必要があるということです。

なぜ、常識を疑う必要があるのでしょうか?

みなさんも 、どうかご自分の直感や考え方が 「自然だ 」と思わないようにしていただきたい 。

それらは 、前の時代の厚かましい思索家たちの着想の産物でしかないことが多いのだから 。

「時間」のように、「天動説・地動説」のように、今まで常識だと思っていたことは、誰かが提唱した認識方法に過ぎません。

それが正しいかどうかというよりも、全員が信じれば正しいものになります。

常識を疑わずに信じてしまうことは、盲目に繋がります。

盲目であると、何が悪いのでしょうか。

  • 例えば、誰かが作った「常識・ルール」を疑わなければ、搾取されることもあります。
  • 例えば、当たり前だと信じていることが、本当は違ったと判明したときに、受け入れられずに悩んでしまいます。
  • 例えば、本質を見抜けなければ、自分の置かれている現状を分析できず、「不幸だ、不運だ」と他人のせいにして、その状況を脱する努力ができなくなります。

わたしたちは過去や未来に苦しむのではなく、今この場所で、記憶のなかで、予測のなかで苦しむ。

時さえなかったなら、と心から思い、時間の経過の耐える。つまり、時間に苦しめられる。

時は悲嘆の種なのだ。

「時間は存在しない」から、幸福とは、しっかり考え、物事に疑問を持ち、自分の人生を考えながら生き抜いた先にあると学ぶことが出来ます。

ぜひ、常識を疑う思考力を養う第一歩として、「時間は存在しない」を読んでみて下さい。

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