【書評】「最高の組織」は、自分の理想の組織を思い描くためのキャンバス

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【書評】「最高の組織」で、労働と会社に対する諦観・思い込みを破り捨てよう。

こんにちは、外資系セールスから転職→現在はベンチャー企業にて起業家を支援している冨田到(@ItaruTomita9779)です。

今回は、「最高の組織」という本を読みましたので、書評や感想を書いていこうと思います。

「最高の組織」は、アクセンチュア⇒フロンティア・マネジメントを経て、現在は書籍要約サービスのスタートアップのflierで代表を務める大賀康史さんが執筆しています。

「最高の組織」は、大賀さんがflierで実践している、会社のメンバーが生き生きと働くために実践している組織構築の実践論です。

「最高の組織」における学びは以下の通りです。

◆「最高の組織」における学び

  • 働くことの目的は、人生の豊かさや幸福に繋がるものでなければならないし、苦しいことである必要性は全くない。
  • 幸せに働くことは、組織が働く各個人が、自らの人生のやりがいや目的を達成できる、上意下達ではない、輪のような状態の組織である。
  • これからの日本の労使の関係は、労働者も会社の利益以上の人生の目的を会社とともに達成し、会社側も会社に合う労働者を自由に雇えるようになるべきである。

私自身は、まだ17卒の若手ビジネスマンではあり、組織論を読むような年齢ではないかもしれません。

しかし、最高の組織を読むことで、「自分にとって良い組織と良くない組織」を見分ける審美眼を鍛えることができます。

皆さんも下記のような問題意識をお持ちであれば、是非とも本書を一読することをお勧めします。

◆最高の組織を読むに至った問題意識

  • 大手外資系における同僚の働くのが「大変・辛い・しんどい」というマイナスの声は、どうしたら解決できるのか、ということを学びたい。
  • その解決としての、働くことの自分事化のためには、組織がどのように対応すれば、そこで働く個人が活性化するのか。
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商品の説明

内容紹介

ヒラメキあふれる組織で働きたい
すべての人に。

1冊10分で読める本の要約サービス
「flier(フライヤー)」創業者が明かす
「成長しつづける会社」の絶対条件。

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出世と成功がキャリアの目標だった時代は過ぎ去った。
過去は、会社が定めた定期的な異動や評価に対して、従順な従業員が多かったかもしれない。
しかし、そのようなトップダウン型の人事制度は維持できなくなっている。

副業(複業)解禁を含めた働き方改革、メンバーの生きる目的に合わせた仕事の提供、エンゲージメント向上、イノベーション推進など、人事セクションや、経営層に課された課題は多い。

今までの組織運営から変化すべきタイミングだと言える。1人のビジネスパーソンとして、会社に半生をささげる決意で就職を決めている人は少数派ではないだろうか。

15年ほど前に私が初めて就職した際、3年間は続けるイメージを持っていたが、それ以上の期間を捧げる覚悟はまったく定まっていなかった。

大学生のときに得られる限られた情報で一生を決めることなんてできない、と
思っていたからだ。
現在、今後50年確実に続くと断言できる会社が果たして存在しているだろうか。
さらに、働く側として、一生今の興味関心が続き、その会社が働く場として最適であり続ける保証はあるだろうか。
本当はみんな、答えを持っているはずだ。
そのように断言できる会社は存在しないのである。
10年間、経営コンサルタントとして勤めていた際の私は、組織改革や組織変更を行うことが好きではなかった。
小手先のテクニックやノウハウに頼った改革で、会社が根本から変わることはほとんどなかったからだ。

しかし、会社を立ち上げて5年が経ち、その考え方は全く変わった。人を深く理解して、組織運営に活かすことは、
あらゆる企業にとって極めて重要だ。

中略

組織をちゃんと理解しようとするならば、まずは人に対する洞察を深めなければならない。
メンバーの人生の目的を、それぞれの人が本来持っているものから「予算を達成し、会社の成長に貢献すること」に上書きしようとしてはいけない。そんなことが一度しかない人生の目的になるはずがない。
人生の目的は人それぞれだが、一人ひとりが毎日を彩りあふれる世界に生き、その人にとっての幸せな生活を追求することの方がよっぽど大切だ。
給与は我慢の対価ではない。我慢を強いる組織にして、メンバーの目を曇らせてはいけない。

職場であっても、厳しい上司、長時間勤務、明確な指揮命令系統、年功序列に象徴される社風は徐々に少数派になっていくだろう。
若ければ若い人ほど、そのような価値観に対して、距離感を感じているように見える。
これからの成長組織は、もっと笑顔が溢れ、自然体で過ごし、信頼できるメンバーに囲まれて過ごすような、人本来の感性に近いものになっていく。

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◇主な内容

第1章 あらゆる組織が直面する課題
第2章 これからの成長組織が向かうべき方向性
第3章 人材採用と人材育成の心得
第4章 これからのリーダーシップとは
第5章 新しい組織論を適用したフライヤーの運営方針
第6章 社会への提言

著者について

大賀 康史(おおが・やすし)
株式会社フライヤー 代表取締役 CEO

2001年早稲田大学理工学部機械工学科卒業、2003年早稲田大学大学院理工学研究科機械工学専攻修了。
2003年にアクセンチュア(株)製造流通業本部に入社。同戦略グループに転属後、フロンティア・マネジメント(株)を経て、2013年6月に株式会社フライヤーを設立。
共著に『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(ソシム)『ターンアラウンド・マネージャーの実務』(商事法務)がある。

読書・書評やビジネス書が好きな人におすすめな「flier」というサービスがあります。

1,500冊以上の書籍が10分程度で、非常にわかりやすくまとまっており、日々の勉強に最高のサービスです。

下記のリンクからflierのレビューをしていますので、ぜひ利用してみて下さい。

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本書のタイトルが「最高の会社」ではなく、「最高の組織」である、ということ。

個人的に、本書のタイトルが「最高の会社」ではなく、「最高の組織」であることは、とても意味があると思っています。

というのも、「日本の労働者における課題=著者の問題意識」が下記のものであるからです。

◆高度経済成長が終わり、働く人々の目的が「会社」の売上増や利益アップ、すなわり会社の成長のために終身雇用のために働く時代に終わったこと。

⇒これからの時代は、労働者自身の人生の目的と働く「組織」の目的が合うことで、労働者・経営者双方の成長と幸福が目指せる社会になるべき、ということ。

会社というと、ややもすると営利企業だけを指すような気にもなりますし、会社で働くこと=会社の利益を絶対達成し、その対価として給料をもらう、というイメージが付いてしまっています。

他方で、組織というと、もちろん会社を含みますが、趣味で参加している団体や、私がやっているプロボノなど、労働というイメージから離れるような気がしています。

日本の労働者と経営者との、「働くモチベーションのズレ」という社会課題

日本における会社と労働者のあり方は、労働者の働くやりがいや、モチベーションが社外に増えてきた今、変わる必要があるのです。

基本的に日本人の8割ほどの人は、「月曜日が来るのが嫌だ」とか、「ライフワークバランスが大事」とか、「出来れば働きたくない」とか、思っている方が多いと思いますし、私の周りにもそういう方は多いです。

ここで言いたいのは、「働くことをやりがいにしましょう」とかではありません。

働く組織と、働くあなたの「目的」(例えば、個人としての成長と会社の成長、好きな製品を売る等)を一致させましょう、ということです。(ブラック労働=労働力の搾取をせずに。)

我々が会社に合わせる必要はないですし、会社側も労働者を選んでいいのです。

このような、「最高の組織」から学べる考えは、若者層の人口に膾炙しやすいのはもちろん、今の仕事のやりがいに悩んでいるシニア層にも、受け入れられるでしょう。

そうなってくると、「最高の組織」を取り入れた考えの組織・会社にこそ、人手不足な昨今において、人材を集める力・競争力が生まれる可能性もあり、経営者にも変革のモチベーションが生まれるのです。

「最高の組織」を実践するための方法:人材こそが組織・会社の宝

最高の組織」を実践しているのが、本書の著者の大賀さんが代表となっているスタートアップのflierです。

flierでは、組織の形態として、ピラミッド・上意下達型ではなく、社員全員が輪のような形でコミュニケーションを取る組織です。

ある種大学のサークルに近いような、個人が自分のやりたい事や、自分の好きな会社のために出来ることを、お互いに言い合い実行しあえる環境であると言えます。

もちろん、社員人数の少ないflierだからこそ、出来るような組織体系であるかもしれませんが、大企業も部署レベルで見れば、輪のような上も下もないフラットな組織を作れるかもしれませんね。

「最高の組織」である、輪を作るためのコツ

さて、このflierですが、この輪の組織を作るにもコツがいるそうです。

そのコツとは、とにかく、人材重視の組織づくりをすることなのです。

それは、入社を希望する人・入社する人を面接する際に、下記の流れとして現れています。

◆採用面接の際に見るポイント

  • 最初の面談には尖った人材を落とさないために、代表自ら出る。
  • カルチャーフィット>(今後花開く)潜在能力・ポテンシャル>(今ある)スキル

忙しいはずの代表が、自社のカルチャー、自社のメンバーにふさわしいかどうかしっかり見極め、今あるスキルは三の次にしてしまうのです。

カルチャーさえ合えば、成長は付いてくるとのことでした。

逆に今あるスキルは成長しなければ陳腐化してしまって、未来に価値がないのでしょうね。

これ、普通の会社なら、逆ですよね。

「こいつは優秀そうか、こいつはうちでも従順に働いてくれるか」、なんてことを考えながら面接をしてしまう人事の人は多いんじゃないでしょうか。

それをまるっと変えてしまうことこそが、代表含め社員全員が組織の目的と個人の目的をすり合わせ、自発的にフラットに働く「最高の組織」の作り方なのです。

このあたりは、音声メディアのVoicyでも、大賀さんの肉声と共に3回に分けて聞くことができますので、ご参照ください。

荒木博行のbook cafe / 『最高の組織』著者フライヤー大賀さん対談その1

我々の人生は会社に捧げるものではなく、「自分の愛すること」に捧げるためにある。

たまに会社の先輩がこんな愚痴を言うことがあります。

「サラリーマンは、嫌でも、会社の命令に従わないといけないこともある。」

私は「本当にそうなのかな?本当に自分の人生を、妥協して、嫌なものに時間を使う必要はあるのかな?」と思わずにはいれません。

ここでメタファーを一つ、ノミは本来、かなり高く飛ぶことができるそうです。

しかし、フェルト容器の中にいれられたノミは、フェルトの高さまでしか飛べなくなってしまうのです。

社会人も同じです。

飼いならされた先輩は、自分の組織の限界を自分で決めてしまうようになってしまうのです。

我々、飼いならされていない若手の人材こそが、自社の組織を変革し、人生の時間の大半を占める仕事を楽しくしていくことが、社会を大きく変えられるのではないでしょうか。

自分の人生を会社のために捧げるのではなく、愛せる組織と仲間たちとお客様と社会に捧げる、「最高の組織」を読んで、そんなことを思ってみても良いのではないでしょうか。

 

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