【書評】ラディカル・プロダクト・シンキングから学ぶビジョンとリーンの両構え

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【書評】ラディカル・プロダクト・シンキングから学ぶビジョンとリーンの両構え

 

こんにちは、外資系セールス→起業家支援→現在は起業準備でビジネススキルアップのプロダクト開発をしている冨田到(@ItaruTomita9779)です。

0→1でプロダクトの開発や起業を行っていると、顧客の声を聞きながらも、開発すべきプロダクトの機能の優先順位や意思決定の自信を保つことは難しいことです。

他方で、そうした0→1の起業でも顧客の声をベースに開発サイクルを回すリーンスタートアップとか、もしくは以前紹介した自前のリソースから考えるエフェクチュエーションとか、依拠できるフレームワークはあるものです。

しかし、実際に事業開発や起業をしてみると、プロダクト開発が依拠すべきポイントはリーンだけでも、エフェクチュエーションだけでもだめなことがよくわかります。

[エリック リース, 井口 耕二, 伊藤 穣一(MITメディアラボ所長) (解説)]のリーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす[サラスバシー サラス]のエフェクチュエーション: 市場創造の実効理論

今回は、プロダクト開発で迷ったときに、開発すべき方向性に問いを与えてくれるラディカル・プロダクト・シンキングという本が良かったので書評します。

プロダクトマネジメントとDXを成功に導く
シリコンバレーの最新解!

イノベーションのためには
プロダクトのビジョンを明確にして
戦略と優先順位を組織に浸透させなければならない。

しかし、この一連の活動を
日々の仕事にうまく落とし込むことは
非常に難しい。
この難関を超えた一握りの組織こそが
イノベーションを勝ち取る。

そこで本書では、小手先の施策ではなく
ラディカルに(=本質的かつ根本的に)
組織をイノベーションに導く
思考法を解説する。

具体的には次の5つのアプローチでプロダクトを成功に導く。

1 組織と市場にマッチしたビジョンのつくり方
2 ビジョンを効率的に達成する戦略の立て方
3 戦略を実行する優先順位のつけ方
4 施策の仮説検証の仕方
5 組織へビジョンを浸透させる方法

とくに以下のような方々には必読の一冊。
・プロダクトマネジメント、プロジェクトマネジメントのリーダー
・DXにかかわるマネージャー、エンジニア
・組織変革をめざす経営層・マネージャー・起業家

〈目次概要〉
序章 ラディカル・プロダクト・シンキングとは何か
第1部 イノベーションのための新しいマインドセット
第1章 ラディカル・プロダクト・シンキングが必要な理由
第2章 プロダクト病~優れたプロダクトが腐敗するとき
第2部 ラディカル・プロダクト・シンキングの5大要素
第3章 ビジョン~変化を想像する
第4章 戦略~「なぜ」「どのように」行うか
第5章 優先順位づけ~力のバランス
第6章 実行と測定~さあ、始めよう!
第7章 文化~ラディカル・プロダクト・シンキングな組織
第3部 世界を住みたい場所に変えるために
第8章 デジタル汚染~社会への巻き添え被害
第9章 倫理~ヒポクラテスの誓いとプロダクト
終章 ラディカル・プロダクト・シンキングが世界を変える

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さて、対立概念で捉えるとかんたんなので、おさらいですが、リーンスタートアップは下記のような顧客の課題を発見し、解決しうるプロダクトを開発し、また顧客からヒントを得るという手法を取ります。

図解】コレ1枚でわかるリーンスタートアップ:ITソリューション塾:オルタナティブ・ブログ

出典:https://blogs.itmedia.co.jp/itsolutionjuku/2019/09/1_43.html

他方で、ラディカル・プロダクト・シンキングは、組織やプロダクトのビジョンをベースに開発すべき方向性を考えます。

筆者は目の前の顧客や計測した数字をベースとした開発をイテレーティブ型アプローチと、起業家や組織が目指すべき世界の姿に依拠したビジョン駆動型アプローチを紹介しており、リーンは前者にちかく、後者がラディカル・プロダクト・シンキングに近いと言えます。

イテレーティブ型アプローチの落とし穴

イテレーティブ型アプローチはだめではないのですが、進むべき世界観自体は教えてくれないため、最終的に出来上がったものが、何でもできるけど、便利さは他のものには及ばない、乗り換えよう、と言われるようなものになってしまうのかなと思います。

例えば、Evernoteというアプリケーションがありますが、このアプリが好きな人もいると思いますが、機能が多すぎと批判されることもあり、イテレーティブ型アプローチの悪い部分に陥ってしまった事例と言えるかもしれません。

そういう意味では、プロダクトの終着点や方向性というものは、プロダクトがそもそも使われるレベル、需要があるレベルになってはじめて大事になるということも言えるかもしれません。

しかし、プログラミングをやったことがある人から言わせると、それでは技術的負債が増えすぎる懸念も考えられます。

ふと、「Notionはなんでもできるけどいいの?」と思いますが、彼らのビジョンがそもそも「to make toolmaking ubiquitous」ということで、むしろ顧客ニーズに合わせてカスタマイズできるように、というビジョンがあるから、こんなにも普及したのかもしれないですね。

ラディカル・プロダクト・シンキングのフレームワーク

イノベーションのためには、 プロダクトのビジョンを 明確にして 戦略と優先順位を組織に 浸透させなければならない。

出典:”https://www.amazon.co.jp/dp/B09YTP7NFB/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1″

ゆえに、ビジョンを持って、顧客や社会をどう導くべきか?という問いを本書からもらうことがプロダクト開発に関わる人間にとって、価値があるのではないかと思います。

本書には、いくつかのステートメントのテンプレートやフレームワークがあり、下記のGithubで本家から一部まとめて抜粋している方もいますのでご参考にしてみてください。

もしくはこちらの公式からツールキットをダウンロードできます。

フレームワークはその組織や人が開発するプロダクトのステージに合わせて使えるものが網羅されています。

例えば、私は今、このようなプロダクトを開発していますが、来週くらいにMVPとしてローンチできそうなので、ローンチ後にユーザーの反応を測定することが重要なフェーズです。

下記のMEASURE PLANを参考に重要指標、仮説を書き出してみます。

ステートメント:私達は「ユーザーがプロダクトを通じて学習コンテンツを学ぶか」という具体的な実験を行う。もし実験を行えば「コンテンツの学習済みボタンを週一回以上押す」という結果が得られるだろう。なぜなら「学ぶべき学習ロードマップを消化し、次の学ぶべき学習コンテンツに会えるから」という理由だからだ。

みなさんももしプロダクト開発をしているなら、ぜひフレームワークを使って、次のアクションを明確化してみてはいかがでしょうか。

注意点は、これらのフレームワークは常にビジョンとともに考え、ビジョンと照らして、最適な検証を検討できているかを考えるのが味噌のようです。

プロダクトとは、モノでもあり、ソフトウェアでもあり、国や社会でもあり、世界観を持って開発したいすべてのものに適応できるフレームワークなため、一度自分の状況を棚卸してみるのをおすすめします。

ラディカル・プロダクト・シンキングは、プロダクト開発を頑張るすべての人に、様々なフレームワークで壁打ちしてくれる良いプロダクトです。

こちらからProductZineの紹介を見ることができます。

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