【書評】「新しい経営学」でビジネスモデルの構築の知識に種を撒け【要約】

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【書評】「新しい経営学」でビジネスモデルの構築の知識に種を撒け【要約】

こんにちは、外資系セールスから転職→現在はベンチャー企業にて起業家を支援している冨田到(@ItaruTomita9779)です。

アクセラレーターで起業家の方々の壁打ちをさせていただいている時に、その「ビジネスモデル」を理解した上で、ご相談に乗ることは、より良いアドバイスを生み出す上で必須です。

他にも、経営コンサルタントをされている方や、実際に起業をされている方にとっては、「自社のビジネスモデルを理解して、勝てるビジネスに常に変えていく」必要がありますよね。

今回は、「経営学・ビジネスモデル」とは何か、改めて一から勉強できる本、「新しい経営学」を書評・要約していきます。

「新しい経営学」は、経営学とビジネスモデルというものを、楽しく、わかりやく、実践的に使えるフレームワークを授けてくれます。

ぜひ「経営目線をもっと養いたい」という人は、参考にしてみてください。

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内容紹介

あらゆるビジネスの見え方が変わる!
“専門分野の寄せ集め”だった経営学を
ビジネスの目的別に再構築した画期的入門書

■経営学をビジネスモデルで理解する「常識破り」の入門書
そもそも「経営学」という学問は、「経営戦略」や「マーケティング」「アカウンティング」
「ファイナンス」「人・組織」「オペレーション」といった専門分野の集合体です。
それゆえ、経営学の「入門」をうたっている本はどれも、
各分野の寄せ集めでしかなく、経営学がわかりにくい原因となっていました。

本書は、そうした経営学“入門書”の「常識」を打ち破るもの。
「ターゲット」「バリュー」「ケイパビリティ」「収益モデル」という、
現実のビジネスを構成する4つの要素から経営学を「目的別」に理解してしまおうという
前代未聞の試みが結実したものです。

この4要素が組み合わさることで、「ビジネスモデル」が成立します。
ビジネスモデルは、事業を統合的に運営していくために欠かせない「経営視点」。
事業運営を任されたビジネスパーソンも、アルバイトをする学生も、会社そのものを経営する経営者も、
誰にとってもためになる、面白く学べて実践できる
画期的な一冊が、ここに誕生しました。

■独自企業・事業のビジネスモデルを解き明かすオリジナル演習収録!
本書では、ビジネスモデルのフレームワークを机上の空論に終わらせず
読者に実際に身につけてもらうことを考え、22題の演習を収録しました。
Google、Amazon、Apple、スターバックス、エプソンといった
独自のビジネスモデルを有する企業や事業を題材に取り上げ、
読者自らが実際にビジネスモデル図に描きだすのです。

このビジネスモデル図を一発で描ききるのは至難の業。
自ら調べ、考え、整理するという過程が必要です。
しかし、その繰り返しを経ることによって初めて、
真に「経営視点」を身につけることが可能になるのです。

■ビジネス書アワード2冠『経営戦略全史』著者渾身の一作!
本書のもう一つの特徴は、その圧倒的な読みやすさにあります。
文字数18万字超、ページ数360ページという大ボリュームながら、
平易でスピード感のある文体と189点にも及ぶ図表によって
「一気読み」することが可能になっています。

同じく「経営戦略100年の発展史を一気読み」する本として
大きな話題を呼び、ビジネス書アワード2冠を獲得した
『経営戦略全史』の著者・三谷宏治氏による、
かつてない読書体験を約束する渾身の一作です。

■目次
序章 経営学の全体像とこの本での学び方
1章 ターゲット:誰を狙う?
2章 バリュー:提供価値は何?
3章 ケイパビリティ:どうやって価値を提供する?
4章 収益モデル:どうお金を回す?
5章 あと3つ:事業目標、共通言語、IT・AI
補章 ミクロ経済学基礎と経営戦略史

著者について

著|三谷宏治 KOJI MITANI
東京大学 理学部物理学科卒業後、BCG、アクセンチュアで経営戦略コンサルタントとして活躍。2003年から06年までアクセンチュア戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。06年から教育の世界に転じ、子ども・保護者・教員向けの授業・講演に注力。年間1万人以上と接している。現在、KIT(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授の他、早稲田大学ビジネススクール/女子栄養大学 客員教授、放課後NPOアフタースクール/NPO法人3keys 理事、永平寺ふるさと大使を務める。著書多数。2013年に出版された『経営戦略全史』はビジネス書アワード2冠を獲得した。3人娘の父で、小学校PTA会長も務めた。

 

そもそも、「経営学とビジネスモデル」とは何か?

さて、普段ビジネスマンとして、会社で仕事をされている方に、改めてご質問です。

経営とは、何でしょうか?、ビジネスモデルとは、何でしょうか?

改めて、スパンと一言で答えてください、と言われると、「たしかになんだっけ」となる方も多いんではないでしょうか。

経営とは、「経」が「縦の糸」を語源として始まり、「筋道、ものごとの道理」を表します。「営」は元々は「篝火」を語源として始まり、夜城の守衛から転じて「仕事に勤しむ」ことを表します。

経営学は、会社や組織の文脈で使われますので、「会社組織の筋道を立てて、仕事に努める」ことを探求する学問なわけです。

ビジネスモデルは、語源として「仕事の型」であり、「我々の仕事がどのように社会で成り立つのか」を理解するためのものでしょう。

経営学を以てして、ビジネスモデルをドライブして、仕事を作り上げるわけです。

経営学とか、ビジネスモデルだとかいうお話は、マネジメント層にだけ必要であるかと思われがちですが、実際はそうではありませんよね。

確かに多くの人は、経営やビジネスモデルの一部を、会社の中で分業しています。

しかし、経営陣クラスとの対話や自社の経営を真剣に考えるときには、視座を上げる必要がありますよね。

会社で経営陣と接したり、営業先でCEOにトップセールスしたり、コンサルとして社長と対峙したり、そんな時に「私・相手の会社の経営とビジネスモデルが目指す先は何か」、考える必要があります。

「新しい経営学」が授ける「経営学とビジネスモデルの関係性」

経営とビジネスモデルの根本的な意味や必要なシーンについては、振り返っていただけたかと思います。

しかし、経営とビジネスモデルを考える際に、もっと具体的かつ実践的に、現場で使える・分析できるようになる必要があります。

本書では、経営学と、ビジネスモデルを、とてもわかり易く定義していますので、こちらを”一つのフレームワーク”として、取り入れてみましょう。

(*あくまで、”一つのフレームワーク”です。フレームワークは多様に持ち、状況に応じて付け替えないと、誤った分析に陥ります。)

まずは経営学から・・・。

経営学

経営学は主に6分野の専門領域の寄せ集めなので、その「基礎」も専門分野の基礎の集合体に過ぎない。

「新しい経営学」では、経営学はそもそも存在せず、下記の6分野の寄せ集めだとしています。

①経営戦略│企業としてどういう存在になりたいのか(ビジョン)、どの戦場(ドメイン)で戦うのかを定め、そこで何をウリにするのか(基本戦略)や敵とどう戦うのか(競合戦略)、どう取り込むのか(M&A)を立案すること。また企業が複数の事業を持つ場合には、事業ごとにそれらを行い、全体として統合(全社戦略)・資源配分すること。

②マーケティング│各々の事業で市場や顧客・競合を分析することで、誰に対してどんな価値を売り込むのか(STP、こちら参照)、それをどうやったら実現できるのかを4つの対顧客活動(4P:商品、価格、販促、販路)を組み合わせて立案すること。

③アカウンティング│特定の期間中、その企業・事業が儲かったのか否か(損益)、資金繰り(キャッシュフロー)はどうなっているかを把握するための財務会計と、それらの状況・要因分析を行う管理会計がある。年度予算の立案・管理も含まれる。

④ファイナンス│株式や債券発行、銀行借入、自己資金など多岐にわたる資金調達手法を最適化し、かつ各事業に配分する。そのためにはさまざまな事業・投資価値評価(NPV010やIRR011)が必要となる。

⑤人・組織論│企業とは結局、人の集まりでありそれらがどんな塊に分かれて、どんな役割を果たし、どんな責任権限を持つのか決めなくてはならない。それが組織論。そしてそこに集う人々を採用し、教育し、評価し、モチベイトし続けるのが人事(人間関係)論であり、そこにはリーダーシップ論なども含まれる。

⑥オペレーション│商品・サービスの提供のために必要な機器やプロセス、仕組みを立案すること。その範囲は調達、生産、物流、販売、サービスのすべてに渡る。

これらの①~⑥は全社的に必要なケースと、事業部クラスで必要なケースに分かれます。

一例ですが、Googleで言えば自社のビジョンや人事制度、将来的な投資などは全社的問題、グーグルマップやGmailなどは事業部クラスの問題です。

全社が事業部を包括してはいますが、我々がどちらまでカバーする必要があるのか?で取り入れ方は変わります。

「新しい経営学」では、まずは事業部レベルで、事業を一つ作ったり、改善したりすることの理解を目指します。

なので、6分野のすべての領域を理解するのではなく、①~⑥の事業部レベルで関わるものの理解を促進します。

ビジネスモデル

そのための理解のフレームワークをビジネスモデル分析で提供するのです。

「新しい経営学」では、ビジネスモデルとはビジネスの単純化であり、一つの事業を6分野を横断的に分析できることが大事だとしています。

繰り返しですが、営業・マーケティング・財務など、独立した組織に見えても、事業となるときは一体になっているからです。

「新しい経営学」のビジネスモデル分析では、下記の4つに単純化しています。

①ターゲット(狙うべき相手)=利用者、支払者など

②バリュー(ターゲットに提供する価値)=基本価値とQCDS(企業向け)、ブランドや感覚などさまざま(消費者向け)

③ケイパビリティ(バリューをターゲットにどう提供するか)=リソース(経営資源)+オペレーション

④収益モデル(対価とコストは見合っているか)=売上-費用、他に替え刃や広告モデルなど

これが他社のビジネスモデルを理解する時に、自分の理解の穴や、他社のビジネスの懸念点の理解に役立ちます。

ここまでだと、抽象的ですが、「新しい経営学」では①~④を軸に色々なビジネスモデルを分析して、演習形式で理解するので、分析手法まで学べますよ。

実際には買ってもらって読んだ方が理解が進みますが、私の方で感じた①~④までのエッセンスを見てみましょう。

①ターゲット(狙うべき相手)

ターゲットの基本的な考え方として、STPを用いて顧客を適度に細分化します。

昭和の町の八百屋なんかは、主婦層をターゲットに野菜を売るので単純ですが、プラットフォームビジネスだと少しターゲットが複雑です。

例えば、クックパッドさんの事例では、いわゆる2サイドマーケットになるので、ターゲットがコンテンツ提供者とコンテンツ受益者に別れます。

クックパッドなどCGM(ConsumerGeneratedMedia:顧客生成型メディア)と呼ばれるものでは、その主要なコンテンツ(たとえば調理レシピ)を一般利用者自身が無料でつくってくれます。なので「投稿者」がターゲットとしては誰より大切ですが、その投稿を見て評価・コメントしてくれる多くの「閲覧者」がいてくれてこそ、投稿者もヤル気が出ます。

加えて、広告出稿者もビジネスに絡んできますので、どのターゲットにどのバリューを提供していくのか、しっかり組み立てる必要があります。

美しいビジネスモデル、というのは収益化が難しく、ターゲットが複雑なのに、価値をしっかり届けでいるんですよね。

他にもストアキングというインドの事例も面白いですよ。

ストアキングはネットの使えないインドの人々を対象に店頭で口頭で注文を受けて、それを注文代行して、店頭に再度届けるサービスです。

店舗には集客力の提供、注文者へは便利な疑似通販の価値を提供するわけです。

自社のターゲットは改めて、具体的に言うと誰で、どんなバリューを提供できているのか、他社でも自社でも分析は大事なことです。

②バリュー(ターゲットに提供する価値)

バリューは、マズローの5段階欲求(生理→安全→愛・所属→自尊→自己実現)をベースに考えるとわかりやすいです。

(画像:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E7%90%86%E8%AB%96)

これらに寄与するプロダクトとサービスじゃないと、慈善事業でない限りは、収益化は難しいですよね。

人の本能や欲求にハマるサービスこそ、人の課題を解決し、人気のあるサービスになるわけです。

加えて、商品やサービスをもう少し詳しく見てみると、特にB2BにおいてはQCDSも深堀りしたいところです。

Quality|品質。スペックを満たさない不良品がどれくらい少ないか

Cost|コスト。その商品がどれだけ安いか

Delivery|納期や入手性。いつまでに納入可能か、どこでも入手可能か

Service|サービス。問い合わせなどへの対応やサポート

基本的なバリュー(マズローの5段階欲求)を満たせたあとには、QCDSに欠陥はないか、チェックしたいですね。

「新しい経営学」では、スターバックスのバリューは何か?と問題が出されます。

皆さん、スターバックスのバリューを答えることができますか?

スターバックスは、「The Third Place:その場にいること自体が素晴らしい」という体験をバリューとして売っています。

世の中のサービスやプロダクトを抽象化して、バリューを語れるようになったら、ビジネスマンとしてはやっと半人前でしょう。

コンサルタントを目指す方なら、どんなプロダクト・サービスでもバリューを言える、バリュー大喜利ができるレベルまで、頑張りましょう。

下記の記事でも、バリュー(=Benefit)の考え方を解説しているので、ぜひご参考にしてみてください。

③ケイパビリティ(バリューをターゲットにどう提供するか)

事業の成否はケイパビリティの巧拙で決まる、著者の三谷さんはこう書いているほど、ケイパビリティは重要です。

ケイパビリティはいわば、バリューチェーンであり、研究開発から、調達、生産、物流、マーケティング、営業、カスタマーサクセス、サービスまで、本当に幅が広いです。

他にもIT情報システムや、人事組織、会計やファイナンスまで、重要項目が目白押しですね。

ケイパビリティはリソース(土地・設備・ヒト・金・知財・IT)×オペレーション(サプライチェーンや人事などのプロセスや組織)の組み合わせをしっかりやらないといけないわけです。

既存のニーズ×新しいケイパビリティはイノベーションすら生み出します。

(*イノベーションとは、何かという点については、下記の記事もご参考ください。)

例えば、馬車に乗って移動したいという人に、車や蒸気機関車を与えたら、新しいビジネスが生まれるのです。

アマゾンもケイパビリティの革命を軸にしたサービスです。

アマゾンの配送システムを支えるのは、全米に140拠点とそこで働く10万以上のスタッフなわけです。

特に面白いのはアパレル業界のZARAのお話です。

アパレルは消費者の好みの流行を作り出すこともできますが、従来的にはデザイン作成に1ヶ月、サンプル作成に3ヶ月かかってしまいます。

ZARAはそれを逆手に取り、デザインとサンプル品を2週間で仕上げ、とにかく新製品を投入できる製造ケイパビリティを構築しました。

ここでの狙いは流行を作り出すのではなく、顧客の好みにヒットする製品を拘束で作り続けることだったわけです。

アパレルはアートや感性の領域に近いので、市場の予測は難しく、大量のプロダクトアウトで市場を攻めたわけです。

(*市場の予測性が難しいときには、下記のエフェクチュエーションという手法も参考になります。)

顧客検証を深くやらない(やれない)だけで、少しリーンスタートアップの考えに近いですね。

耳が痛い話ですが、バリューやターゲットが明確に供給できていても、ケイパビリティが脆弱なゆえに、競合に潰される会社はベンチャーではたくさんあります。

④収益モデル(対価とコストは見合っているか)

収益モデルは突き詰めれば、どうやったら黒字にできるか、ということです。

黒字はコストが売上よりも低い時に、損益分岐点を突破して達成できます。

コストは、固定費(が高い時は稼働率を上げる)や変動費(が高い時は粗利率を上げる)を考えたり。

売上は、前線在庫客数や、顧客単価、市場シェア(顧客ごと、地域ごと)を考えたり。

最近ではフリー(無料)を利用して、顧客を集めて、財布を色々なところに設定して儲けるビジネスモデルを構築する会社も増えています。

①来店を促すために街頭でティッシュをタダで配る(多数)、配送料をタダにして売上増で儲ける(Amazon)

②コンテンツやサービスはタダにしてその広告で儲ける(民放、Google)

③閲覧側はタダにして作成側のソフトで儲ける(AdobePDF)、買い手側はタダにして売り手側の手数料で儲ける(クレジットカード、PayPal)、ゲーム自体はタダにしてアイテム課金で儲ける(グリー、LINE)、基本サービスはタダにして一部の有料会員で儲ける(Evernote、Dropbox、クックパッド)

④ボランティアによる評価や記事をタダで公開し、価値を高めてトラフィック広告や送客手数料で儲ける(価格コム、食べログ)

このように、現代ではインターネットを使って、顧客関係を複雑化できる環境ですので、一見儲からなさそうなビジネスでも、なんとか財布を見つけ出して、収益化しているわけです。

「このビジネスはここから収益化してるの!?」なんて思わせたら、かなり美しいビジネスモデルですよね。

下記の「ビジネスモデル2.0図鑑」にも載っている、ヒューマニアムであったり、WASSHAであったり、ビジョンと収益モデルの両立が美しいビジネスは感嘆ですよ。

「新しい経営学」のビジネスモデル分析をやってみよう。

さて、実際に我々が分析したいビジネスに出会った時に、①~④の要素を上手く使うと、分析が一定程度はかどります。

例えば、先程のヒューマニアム、WASSHAの事例を見てみましょう。

2つを選んだのは、どちらも社会貢献性が高いのにも関わらず、一定の収益性をきっちり上げているビジネスモデルの美しさからですね。

ヒューマニアムのビジネスモデル

ヒューマニアムはエルサルバドルにある金属分解、加工と製造販売を担っている企業です。

「違法銃」の処分に困ったエルサルバドルの政府が、違法銃をヒューマニアムに提供し、金属を再生産するわけです。

そのストーリー性の高さから、クリエイターや企業からも受け入れられ、自動車の原料などの製品にも取り入れられています。

それでは、「新しい経営学」の4要素で分析するといかがでしょうか?

  1. ターゲット:製造業者、クリエイター
  2. バリュー:違法な銃がおしゃれな時計やクリエイティブなアイテムに変わり、エシカルな消費とおしゃれを楽しめる。企業にとっては社会性のアピールにもなる。
  3. ケイパビリティ:政府、NGO、金属業者とのステークホルダー連携と彼らのケイパビリティの活用
  4. 収益モデル:リサイクル収益、加工、販売

こんな感じで、従来の会社やサービスとは何が違うのか?という観点を持って、分析してみましょう。

そのビジネスモデルの優位点や素晴らしさを4要素から分析してみるのです。

WASSHAのビジネスモデル

WASSHAは、デジタルグリッドという新しい電力制御技術を活用し、電気を誰の手にも届く場所に、手の届く価格で提供する「電気量り売り」サービスです。

同様に、「新しい経営学」の4要素で分析してみましょう。WASSHAのビジネスモデルも秀逸です。

  1. ターゲット:未電化地域に住む低所得者層
  2. バリュー:量り売りによる電気の豊かさを幅広く提供する。雇用創出も。
  3. ケイパビリティ:アフリカの未電化地域で展開し、1000以上の店舗(キオスク)へのソーラーパネルの提供
  4. 収益モデル:モバイルマネーにより、LEDランタンやラジオや携帯の充電で課金

従量課金制が常識だった電気サービスが未電化地域の人々も電気を使えるように革新した点が素晴らしいですよね。

この4つの視点を持つのと持たないのとでは、気付けることが増えることもあるでしょう。

他方で、この4つばかり気にすると、見えないものも出てきますので、使うフレームワークは適宜変えてください。

必要であれば、3C分析やKPIの測定、市場の収益性など、よりズームインしたり、よりズームアウトしたり、フレームワークのレンズを付け替えましょう。

経営とビジネスモデルは分析だけでは生まれない。

「新しい経営学」では、このようにビジネスモデルで考える4つの重要要素についてみっちり学び直しができます。

他方で、私も2,3年前に一時期勘違いしていた時期がありましたが、「ビジネスモデルを勉強すれば、良いビジネスが作れるんじゃない?」ということです。

これは恐ろしい勘違いで、多くのヒトがMBAに通う中、実際にはビジネスは行動の中からしか生まれてきません。

MBAを否定するわけではありませんが、ビジネスの場で実践してみると、知識だけでは難しいことがよくわかります。

既存の市場に立てるビジネスでさえ、予測もしなかったことが良くも悪くも起きたりしますね。私のブログもそんな感じです。

(*既存/新規市場に対してビジネスを起業したい、新規事業を創りたい、方には下記の記事が手始めにおすすめです。)

ただ、知識をつけることは、やらなくても良かった失敗の防止や、仮想上での経験の積み増しに貢献します。

ここは外してはならない、というターゲット、バリュー、ケイパビリティ、収益モデル、この4つを学び治せるだけでも、「新しい経営学」には高い価値があります。

ぜひ、経営視点を持ちたい方、CEOと仕事をする方、自分でビジネスを作りたい方、「新しい経営学」で実践のための種まきをしましょう!

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