【書評】「コーポレートアクセラレーター」で学ぶ、新規事業の共創【感想】

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【書評】「コーポレートアクセラレーター」で学ぶ、新規事業の共創【感想】

こんにちは、外資系セールスから転職→現在はベンチャー企業にて起業家を支援している冨田到(@ItaruTomita9779)です。

さて、今回は転職活動の一環で、コーポレートアクセラレーターという仕事に出会いました。

その際に、「コーポレートアクセラレーターとは何たるか」を学べる本を紹介いただいたので、書評をしていこうと思います。

その本とは、「オープンイノベーションの最強手法コーポレートアクセラレーター」です。

こちらの書評からは、下記の内容が学べます。

  • 日本に「アクセラレーションプログラム」が必要な理由
  • 新規事業創造を担う、「アクセラレーター」という仕事について
  • 新しい選択(新規事業)に正解はなく、正解にしていく覚悟が重要。

なんとなく、「今の会社の成長が止まっている」だとか、「いつも変わらない仕事で飽きてしまっている」なんて方には、その現象の理由を知れる記事になるでしょう。

それでは、本書の要約と感想から始めてみましょう。

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内容紹介

大企業とベンチャー企業のイノベーションを加速させる手法である
「コーポレートアクセラレーター」について、前提知識、進め方・準備の仕方、テーマの決め方などを解説した教科書。

[本書の構成]

序 章 オープンイノベーションはの最強手法 「コーポレートアクセラレーター」
第1章 そもそもオープンイノベーションとは何か?
第2章 コーポレートアクセラレーターを理解するための前提知識
第3章 コーポレートアクセラレーターの進め方・準備の仕方
第4章 アクセラレーターのテーマを決める
第5章 アクセラレーターの進行ステップ
第6章 コーポレートベンチャーキャピタルとアクセラレータープログラム
第7章 コーポレートアクセラレーター推進時に陥りがちな7つの罠
第8章 世界のコーポレートアクセラレーター10選
巻末資料 投資契約書(案)

内容(「BOOK」データベースより)

日本版CAPの前提知識、進め方・準備の仕方、テーマの決め方などを解説した実務の教科書。大企業とベンチャー企業のイノベーションを加速させる。

著者について

村上 恭一

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
青山学院大学大学院法学研究科客員教授
イノベーションのための組織と知財の研究の傍ら、一般社団法人 価値創造フォーラム21特任アドバイザーや学校法人青山学院知的財産連携機構職員等々、産学の連携業務に多数携わっている。国際観光学会学会賞2002年度優秀賞受賞など。博士(商学)、修士(商学)、修士(ビジネス・ロー)。

鈴木 規文

株式会社ゼロワンブースター代表取締役 創業者
大学卒業後、ゼネコン主計部門、カルチュア・コンビニエンス・クラブ入社、財務、IR、人事チームリーダーを経て、人事管理部門を統括するコーポレート管理室長。東証マザーズ上場、東証1部指定替えプロジェクトメンバー。その後、エムアウトにおいて教育事業「キッズベースキャンプ」を創業するとともに、兼務で新規事業開発シニアディレクターを歴任。同事業を東急電鉄に売却するとともにその後3年間のPMIを経て、同社取締役退任後、株式会社ゼロワンブースターを創業し、起業家支援、企業向け新規事業開発支援事業を展開。日本を事業創造できる国にして世界を変えるために事業創造プラットフォーム構想を推進している。

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そもそも、アクセラレーターとは?

アクセラレーターとは、加速を意味するアクセルのように、スタートアップの事業を、0→1→100のように加速させるサービスや職業を指します。

他方で、よく聞くインキュベーター・インキュベートファンドは、スタートアップの0→1の土台つくりや資金投資を担っています。

スタートアップの事業の成熟度で一概に限ることはできませんが、語義から捉えると、インキュベーターが事業を「卵」から軌道に乗せ、アクセラレーターが事業を「雛」から成長を加速させるのです。

そして、このアクセラレーターが成長の止まった大企業と、成長を加速したいスタートアップをつなげることで、「社会の負の解消」や、「経済を活性化」する新規事業を貢献するのです。

成長の止まった経済にこそ必要なアクセラレーター

さて、アクセラレーターは今の日本経済にこそ重要な仕事です。

それは何故でしょうか。

皆さんもご存知の通り、日本経済は、モノ作れば売れる時代は終わりました。

つまり、物やサービスの質を「改善」していくだけでは、もう成長しないのです。

しかし、顧客の不満や想像を超えたサービスを提供していく「新規事業」だけは、個社にとって成長の爆発力があります。

(個社にとってというのは、人口減少社会では、新規事業は既存の顧客の奪い合いになるケースが多いためです。市場をグローバルに広げたり、人口が増えれば別でしょう。)

経済発展が進んだ国では、社会の負をなくすこと、「改善」ではなく、「解消」こそが求められる時代なのです。

他方で、大企業には改善のノウハウはここ数十年で貯まったものの、新規事業を作るノウハウが欠けてしまったと言われています。

また最近はスタートアップに注目が集まってきましたが、アイデアがビジネスになる前に倒れてしまったり、ビジネスモデル作りで苦労をしたり、リソースが足りていません。

この二つの悩みを、アクセラレーターが、繋ぐことによって解決につなげていくからこそ、アクセラレーターが必要になってきているのです。

アクセラレータープログラムの成功の鍵は?

しかし、アクセラレーターも大企業とスタートアップを単純に繋ぐだけでは、うまく新規事業が立ち上がりません。

アクセラレーターは、その手段として、大企業とスタートアップの両者のリソースをかけ合わせて新規事業開発を促進する「アクセラレータープログラム」を支援します。

ちなみに、「アクセラレータープログラム」は、6ヶ月間の間に、大企業側が「こんな新規事業を作りたい」とスタートアップのビジネスプランを応募して、選考します。

選考を通ったスタートアップが、大企業の自社のリソースを使うことで、事業を肉付けします。

6ヶ月目の最後にデモデイといって事業の仕上げのプレゼンを行い、場合によってはスタートアップは出資を受けて、新規事業にブーストをかけるのが流れです。

そして、「アクセラレータープログラム」にはいくつか成功の鍵があります。

成功の鍵は大企業・スタートアップ・アクセラレーターのそれぞれのアクターが下記のように働きかけ合うことが必要です。

大企業

  1. 社内のトップ層が新規事業開発を支持する。
  2. 管理職が現場の社員がスタートアップを支援することを認めるカルチャーを作る。
  3. 現場メンバーはスタートアップとの事業の開発・企画・相談を対等に行う。
  4. 場合によっては、社内の熱量を上げるために、社外の起業家に講演をしてもらうこと、アイデアソンやハッカソンを行う。

スタートアップ

  1. 大企業の持つ製品・サービス・人材を適宜、大企業・アクセラレーター担当者を活用して、メンタリングを設定し使えるようにする。
  2. 下請けにならないように、社会にまだない価値を提供するビジネスプランを、大企業のリソースを使って作り上げる。

アクセラレーター

  1. 大企業の「新規事業開発の目的=社会にどのような価値を提供したいのか」を定義し、熱意のある協力者を見つけ・教育・営業しながら、プログラムを作る。
  2. 大手企業の中にいて、社内事情に詳しく、ベンチャーを社内リソースとうまく結びつける触媒のような人=カタリストを育成する。
  3. また、スタートアップの選考とビジネスプランの分析を行い、事業を促進する課題を解決しながら、プログラムを成功に導く。

新しい選択(新規事業の開発)に正解はない。

成功の鍵として、上記の点を列挙しましたが、これらは新規事業開発の成功確率を上げるに過ぎません。

私自身は新規事業開発をやったことはありませんが、アクセラレーターを担う人々に面談した際には、「新規事業の開発に正解はない。」とのことでした。

結局は、課題だらけの中で、仮にでもいちばん重要な課題を設定し、その解決に邁進する勇気が必要だそうです。

前人未到の新規事業開発、その道を選ぶことは、その道を正解にする勇気が試されるということなのでしょう。

日本経済の成長の副産物である社会の負、これらを解消することが次の社会の幕開けにつながる、であるからこそ、新規事業開発が重要なフェーズになってきているのだと思います。

私も、今回のご縁をきっかけに今年で外資系メーカーを退職し、コーポレートアクセラレーターという仕事に転職します。

また、コーポレートアクセラレーターで学んだスキルを本ブログで公開したいと思いますので、社会の負を解決したいみなさん、一緒に頑張っていきましょう。

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