ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツから、マクドナルド繁栄に迫る【感想】
こんにちは、外資系セールスから転職→現在はベンチャー企業にて起業家を支援している冨田到(@ItaruTomita9779)です。
突然ですが、誰もが知っている企業やビジネスの成り立ちって意外と知らないものですよね。
他方で「誰もが知っている企業を作れ」なんて、言われたら難しすぎて頭抱えちゃいますよね。
ただ、世界中に名を馳せる企業は、その優秀な経営者やビジネスモデルによってそれを実現しているのです。
特に皆さんご存知のマクドナルドの成り立ちは、非常に興味深いものがあります。
今回は、それに関連して、マクドナルド創業のドキュメンタリー映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」を見たので、下記の学びと感想をご紹介させていただきます。
「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」からの学び・感想は以下の通り
- マクドナルドがグローバル企業になった理由には、情熱的な生産効率の高い受発注システムと貪欲なパートナーがいた。
- 企業経営や新しいビジネスを始める際には、ビジョンの共有とパートナーとの対話が大事。
- なんやかんや、世界で売れるビジネスは人々の幸福に一役買っている。
1954年アメリカ。52歳のレイ・クロックは、シェイクミキサーのセールスマンとして中西部を回っていた。ある日、ドライブインレストランから8台ものオーダーが入る。どんな店なのか興味を抱き向かうと、そこにはディック&マック兄弟が経営するハンバーガー店<マクドナルド>があった。合理的な流れ作業の“スピード・サービス・システム”や、コスト削減・高品質という革新的なコンセプトに勝機を見出したレイは、壮大なフランチャイズビジネスを思いつき、兄弟を説得し、契約を交わす。次々にフランチャイズ化を成功させていくが、利益を追求するレイと、兄弟との関係は急速に悪化。やがてレイは、自分だけのハンバーガー帝国を創るために、兄弟との全面対決へと突き進んでいくーー。(C) 2016 Speedee Distribution, LLC. ALL RIGHTS RESERVED
グローバル企業に必須のビジョン・ビジネスモデル・経営者
さて、この「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」ですが、マクドナルドの創業秘話を教えてくれますが、ざっくりまとめると下記のようなお話です。
- マクドナルド兄弟が現在のマクドナルドに通じるフライ・ピクルス・肉・バンズをスピーディに組み立てる生産性の高いモデルを作り上げる。
- マクドナルド兄弟は、世界に黄色いM字=ゴールデンアーチのある店舗=家族で楽しむハンバーガーショップを増やしたかったが、これを模倣できる経営者がいないため、断念していた。
- そこに現れたのが、そのフランチャイズを成功させたレイ・クロックで、マクドナルド兄弟からうまく事業を奪い取った。
- マクドナルド兄弟とレイ・クロックは仲違いはしてしまったが、レイ・クロックがアメリカ全土にマクドナルドの出店を成功に導いた。
「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」を見ると、このレイ・クロックがマクドナルド兄弟から事業を奪い取るさまが非常に狡猾で、マクドナルドに行きたくなくなる気持ちになるほどでした。
マクドナルド兄弟が、レイ・クロックの貪欲さを目の当たりにしたときに「鶏小屋に狼を入れてしまった(wolf in the hen house)」という程です。
他方で、この物語から学び取れる本質は単なる「奪い合い」だけではありません。
レイ・クロックはマクドナルド兄弟から、マクドナルドの事業権利を取っていきます。
しかし、逆にレイ・クロックの手腕がなければ、マクドナルドは全米に、世界中に広がることはなかったと言えます。
これは、ビジネスの成功には優れたビジネスモデルだけでは、成功はしないことを意味しています。
良い製品が売れるのではなく、宣伝の上手い製品が売れるのと同じです。
マクドナルド兄弟の優れたビジョンと生産方式が、レイ・クロックの経営手腕と合わさったからこそ、マクドナルドはグローバル起業になったのです。
ビジネスの協業・協力は強味と弱味の補完関係が重要
「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」では、マクドナルド兄弟とレイ・クロックは度々、経営方針・拡大方針の違いで電話で喧嘩します。
本当に嫌い合っていたわけではないのかもしれませんが、仲違いしてしまったわけです。
それでは、レイ・クロックとマクドナルド兄弟には何が足りなかったのでしょうか、我々が学ぶべきはここでしょう。
それは、交渉と話し合いが根本的に足りず、協力関係を築けなかったわけです。
マクドナルド兄弟はビジョンを大事にして、むやみな拡大や、利益だけを取るような製品を売りたくなかったので、レイ・クロックと喧嘩しました。
他方で、レイ・クロックはマクドナルドの優れた生産方式を使って、全米にマクドナルドを出店して、利益を得たかった。
両者はどちらも正しいのですが、どちらも主張を譲歩することはなかったのです。
いわゆる頑固(stubborn)ですね。
他方で、両者の関係は、ビジネスで重要な、「ビジョン=事業の方向性」と、「利益=事業の継続性」の2つを補完できてた関係でした。
両者がもっと、自分たちの主張を0 or 1で考えずに、譲歩と交渉を重ねていれば、マクドナルドはもっと素晴らしい事業になっていた可能性もありますし、円満な経営関係が築けていたかもしれません。
他方で、スタートアップの経営者を見ると、だいたい創業メンバーは喧嘩別れか途中離脱しているケースが多いので、共同経営の課題は、外側から見る以上に難しいのかもしれないです。
マクドナルドが世界中で利用される意味
マクドナルドは不健康なイメージがありますし、この映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」を見ると、なんだか行きたくなくなるファーストフードに思えます。
しかし、世界のどの国を見ても、マクドナルドは存在します。
それは人々が、マクドナルドのスピードや味や値段やサービスに、価値を感じ、ハンバーガーを買っているからです。
その購入の行為は、人々の時間や空腹や金銭や笑顔に、一役買っているわけです。
だからこそ、世界中の人々に利用されているので、「なんだかんだマクドナルドすげぇ」、となります。
あなたも、「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」から、事業創造におけるビジョン・ビジネスモデル・経営のk重要性を学び、世界で愛されるビジネスの作り方を見てみましょう。なかなかにスリリングでした。
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